朝鮮半島における核危機の平和的解決を求める
GPPAC緊急声明

 10月9日午前、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は核実験を実施したと発表しました。

 平和構築と紛争予防における新しい国際的合意を形成するため、世界のNGOが主導するネットワーク「武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ(GPPAC)」として、私たちはこの核実験に強く抗議します。

 核実験は周辺住民の生命を著しく脅かすとともに、北朝鮮による核保有は、朝鮮半島、日本、そして東アジア、ひいては世界全体に対する深刻な脅威をもたらします。また同時に核不拡散条約(NPT)違反の行為でもあります。

 北朝鮮はさらなる核実験や核兵器開発の一切を即時中止し、核兵器計画の完全放棄すべきです。同時に、関係諸国のDPRKに対する対話を欠いた一方的な圧力外交や敵視政策に対しても見直しを求めます。そして、この地域に残存する冷戦構造により軍事的圧力がかえって核危機を悪化させ、朝鮮半島における武力紛争を誘発する可能性をはらんでいることを訴えます。
 
 私たちは、米中韓日ロの政府に対し、昨年9月の六カ国共同声明の原則、すなわち、DPRKが核を放棄すると共に日米がDPRKの安全を保証し国交正常化と経済協力への努力を行うという包括的枠組を土台とした、六カ国協議の再開へ最大限の努力払うことを求めます。また国連事務総長および安保理 そして全ての政府に対して、あらゆるチャンネルを使った六カ国協議再開への力強い支援を求めます。
 
 一方、現在の核保有国が核軍縮交渉を誠実に行い完結するという国際合意を遵守していない事実を鑑み、私たちは、すべての核 保有国に対して核廃絶へ向けた具体的行動を求めると同時に、北朝鮮の核実験を口実に、周辺国がNPTに違反し、地域と世界の安全を脅かす核保有を画策する動きに対しても強く反対します。
 
 そして、私たちは、GPPACのネットワークに参加するNGOおよびその国際事務局として、各地のパートナーとの連帯を誓かうとともに、核危機の平和的解決のために、国連、各国政府とともに、東北アジア地域の市民社会と協力し、紛争予防体制を創出し強化していきます。

2006年10月10日

GPPAC国際事務局及び地域代表
GPPACトップへ