第4回世界社会フォーラム
インタビュー 後藤彰さん(ナマケモノ倶楽部)
 ムンバイで開かれるWSFに向け、たくさんの船内企画がおこなわれている現在。その中には、日本国内で活動するNGOやフリージャーナリストなど、「フェローシップ」としてピースボートとともにムンバイへ向かう人たちもいます。
 今回は、フェローシップとして乗船されているナマケモノ倶楽部の後藤彰さん。「エコロジー」、「スローな生活」をテーマにした企画をされているかと思えば、オーストラリアの民族楽器「ディジュリドゥー」を吹いていたり、といろんな一面をお持ちです。今回はそんな後藤さんにインタビュー。
後藤彰さん Q:ピースボートに乗るきっかけはどのようなものだったのですか?

A:もともと「ナマケモノ倶楽部」という団体でなくても、個人的にもWSFに参加したいなぁという思いがありました。そこにフェローシップの話が来て、「ナマケモノ倶楽部」のバックアップを受け、乗ることができたんですね。

Q:後藤さんにとって、ナマケモノ倶楽部で活動するにおいて、初めの一歩は何でしたか?

A:「ナマケモノ倶楽部」というのは、私の修士論文の材料でもあったんですよ。修士論文のテーマは、知識社会の分析や、NGO・NPOがどのように知識を社会的に蓄積しているのか、ということについてです。
 しかし「研究対象」としているだけではどうしても中途半端で、違和感を感じるようになったんですね。自ら飛び込んでみようといったところが「ナマケモノ倶楽部」だったんです。
 理由のひとつは、ここには魅力的な人がたくさん関わっていて、そのネットワークに入りたいという気持ちがあったから。また、日常生活から変化を起こしていくという『実践』の面でも魅力を感じていました。さらには、メンバーでもある辻信一さんの著作『スローイズビューティフル』にも惹かれていました。
 もちろん、おもしろそうだったからという前提ははずせませんよ。

Q:船上ではいろんなワークショップを開かれてましたよね、手応えのほどは?

A:まず、全体的な手応えについては6〜7割程度の満足、といった具合です。「聞く人」と「話す人」のキャッチボールがまだまだ足りないな、とは感じました。ただ、個別のワークショップにおいては、すごくよかったという感想を得ることができ、やっている意味というのを実感できました。
 特にスローライフ、スロービジネスについて企画をしたときのこと。「エコとピースで食っていく」ことに疑問を抱いていた人ととことん話し、それができるとわかってもらえたことは良かったですね。
 でも、やっぱり時間的な余裕は欲しいですねぇ。しかし、とても充実しています。ミーティングもたくさんありますが、それを通じてお互いを知ることができましたし。

Q:ムンバイでは、どんなことをされる予定ですか?

A:WSFチームによるワークショップをおこなう予定です。日本の若い世代が何をやっているのか、どういうことに興味があるのかを伝えたいですね。
 「スローライフ」という言葉を世界に発信ししつつ、また、エコロジーやフェアトレードに関わる「スロービジネス」を通じ、社会を変化させていけるということを伝えたいですね。そして新しいスタイルの社会を生み出していきたいと思います。また、世界には自分たちと似たような活動をしている団体があると思うんです。それを見つけ、世界的なネットワークを作りたいとも思っています。

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