第4回世界社会フォーラム
インタビュー 神田敏晶さん(Tea Style)
 ムンバイで開かれるWSFに向け、たくさんの船内企画がおこなわれている現在。その中には、日本国内で活動するNGOやフリージャーナリストなど、「フェローシップ」としてピースボートとともにムンバイへ向かう人たちもいます。
 ここでは、そんな「フェロー」な人たちを追っかけてインタビューしました。第一回は「Tea Style」の神田敏晶さん。ピースボートに乗船した経緯から、船内で撮影したテレビ番組『トパーズTV』を立ち上げた手応えを中心に聞いてみました。
Q:そもそも、どうしてピースボートに?

A:もともとは、仕事で知り合い、仲良くなった佐々木さん(同じく「Tea Style」のメンバーとして乗船中)に「ピースボートに乗って一緒にやってみない?」と声をかけられたんです。彼とは長い知り合いなんですけど、一緒に仕事をするのは、これが初めてなんですよ。

Q:普段は、インターネットでのニュース配信――インターネットで見るテレビ、ということを中心に活動されているんですよね。映像というものに関心を持たれたきっかけはなんだったんでしょう。

A:映像というのは、非常にインパクトの強いものです。湾岸戦争の時にはオイルで汚れてしまった海鳥が映し出されたり、狂牛病の時には倒れ込む牛の姿が流されたり。もしもそれがたった一羽、たった一頭だけのことだったとしても、そのワンシーンだけで、人は非常に強いショックを受けます。
 つまり、映像によるメディア操作はどれだけでもできるということなんです。だったら逆に、そのテレビを自分で「つくる」ことで、PRがより伝わる具体的な方法を学べるとも思うんですよ。

Q:それが、今回のワークショップ、『トパーズTV』なんですね。

A:みなさんには、テレビに映る、という経験をしてもらいたいんです。具体的には、ひとり1分という時間を区切って、カメラの前で話してもらいます。まあ、ほとんどの人は一瞬焦って、頭の中が真っ白になります。これはテレビだから、コマーシャルに入るまで、時間を短縮することも延長することもできません。「じゃあ、このへんで終わりにしましょう」というのはテレビではできないんですよ(笑)。
 これによって体得してほしいのは、「余裕がない状況で、あえて余裕を持って人に伝える方法」です。また、他人がどういう評価をしているのか、ということもぜひ聞いておいてもらいたいですね。テレビに映っている自分の姿を客観的に見てみるのも、自分の伝え方で伝わるかということを知るひとつの方法です。

Q:なるほど──最後に、そんな神田さん自身が、ピースボートに乗って感じたことを教えてください。

A:僕は仕事柄、Eメールとかインターネットといつも生活を共にしているんですね。船の上ではそれができないでしょう。大丈夫かな、と思ってたんすが、意外にできるものですね(笑)。むしろメールがなかった時代の"幸福感"を思い出してます。
 また、毎日が文化祭みたいで面白い。自分が今まで会うことのなかったいろんな人たちと交流できるというのが、やっぱり面白いですね。
(聞き手 久野良子)

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