ひと──参加者インタビュー
バックナンバーVol.6
[海野知江さん(愛知県出身・76歳)]
 今回で2回目の乗船となるうんのさん。本業は絵描き。今までにさまざまな土地で、風景や人を描かれてきたそう。今はサーカスを題材としているそうで、トパーズの廊下にも海野さんの絵が展示されています。「戦わない日本」を作るべくさまざまな平和活動にも携わっている、という海野さんにお聞きしました。

Q:今回が2回目の乗船だそうですが?

A:参加したのは偶然だけど、こんなに安い船ってないのよねぇ。私が乗れる値段だから思い切ったの。今まではずっと一人旅だったんだけどとにかく荷物が重いのよ(笑)この船だと手ぶらで行けるし自分の部屋もあるし──。

Q:食事もありますしね(笑)それでなおかつ世界がまわれる、となれば、これはもう乗るしかない――と?

A:そうそう。それに寄港地での交流がおもしろかったりするからねぇ。

Q:では、いままでの交流はどうでした?

A:ブルネイから渡ったマレーシアのサワラクが印象に残ってるわね。ロングハウスで何家族も人々が一緒に暮らしている所にホームステイしたんだけど、あれはきっと「地域共同体」というものの、最後の姿なんでしょうね。ああいう風景って、普段の旅行ではなかなか見られないじゃないですか。

Q:ところで、船の中では普段は何をされているのでしょうか?

A:──絵を描いたり本を読んだりかしら。企画の方は「フランス語でシャンソンを歌おう」っていうのをやっててすごく好評なの。これで少しでもフランス語を覚えて現地でも挨拶くらいできるようになればいいでしょ(笑)

Q:最後に、平和活動の方もされているということなんですが、今後の活動は主にどういったことをされていきたいですか?

A:「戦わない日本を作る」というタイトルで、まずは母親に呼びかける運動をしたいわね。ホームページを使って絵を載せようと思うの。人への伝達方法としてインターネットが一番良い方法だと思うのね。結局人を説得するっていうのは大変。でも粘り強くやり続ければいつか伝わるものよ。
(聞き手:高山望)
[中本祥二郎さん(岡山県出身・22歳)]
 あのタイガー・ウッズに似ている(?)ことから、船内では「ウッズ」の愛称で親しまれている彼。船内テレビ局「トパーズTV」の制作、そして船内音響担当の「PA」と毎日毎日大忙し。その他、紅白歌合戦での司会を務めるなど、数々の大役も。そんな大活躍の彼に、船内生活で感じていることなどを直撃インタビューしてみました。

Q:いろいろやってて毎日忙しいんじゃないですか?

A:うん。でもすごく楽しいですね!!

Q:TVやPAで毎日忙しそうだけど、それぞれの楽しさってどういうところでしょう?

A:…う〜ん、TVにもPAにもどっちにも言えることだけど、企画作りの段階から参加してる、というのが面白いんですよね。成功したときの楽しさは、ただ出来上がった企画に参加するだけだったら味わえないと思うんです。

Q:作り手側からの楽しさがわかる、っていうのがいいですね。その他、船内生活で魅力的だと思うところはありますか?

A:そうですね──これもありふれたことなんだけど、この船って、老若男女関係なく、全然見知らぬ人が一緒に生活してるっていう特殊な空間だと思う。だからこそ、いろんな人と話ができる。それから船内講座に参加するのも楽しいし、勉強した内容をすぐに、肌で感じられるところがいいと思うよ。

Q:寄港地はどうでしたか?

A:今までの寄港地では、交流プログラムに参加することが多かったですね。現地のことを少しでも知ることができるし、ナマの話が聞けるし。交流はやっぱり、ピースボートならではだと思うし…。
 南アフリカでは、ソウェトっていうタウンシップに行ってホームステイしたんだけど、そこでも彼らは「アパルトヘイト」っていう、自分たちのせいじゃない問題を抱えていて…それでも彼らは底抜けに明るくて、一緒に何でも楽しめたんです。それが新鮮だった。特に、言葉があんまり必要じゃないから(笑)──子どもと交流できたのはすごくよかったです(笑)

Q:すごく貴重な体験をしてきたということですよね。それじゃあ最後に、これから船の中でやりたいことを教えて下さい。

A:うーん…やっぱりこれからも、もっともっと「船内企画をつくる側」に関わっていきたいな。これからの大きなイベントとしては『洋上運動会』。それに参加するだけじゃなく、中身をつくっていく側になりたいって思ってるんです。楽しく、頑張っていきます。
(聞き手:高山望)

「ひと──参加者インタビュー」バックナンバーへ | 44回クルーズレポートトップへ