□戦争と女性〜おばあちゃんたちの証言〜
マニラでの交流プログラムCコース「マパニケ村を訪ねて」の参加者たちが、交流ツアーの報告を通して、フィリピンだけでない旧日本軍による「慰安婦問題」を考える目的で企画した。また、交流しただけで終わるのではなく、集団レイプの生存者であるマパニケ村のロラ(おばあちゃん)たちのためにできる限りのことをしたいという気持ちから、ロラたちによりよい余生を送ってもらうための医療支援基金を立ち上げた。
まずは、従軍慰安婦についての簡単なレクチャー。WSFのフェローシップとして乗船している海南友子さんが、インドネシアの元「従軍慰安婦」をとりあげたビデオを見せてくれた。
次に、実際にロラたちと交流してきた人たちによる報告会。参加者の中から、高山文彦くんが感想を語ってくれた。ほかにも数名が、ツアーを通じて感じたことを話してくれた。
交流プログラムに参加していない人も、多くの人がこの企画に興味を持って参加した。若い女性が多かったが、戦争を体験した男性や、若い男性も参加していた。
「自分も慰安婦問題について詳しいわけでもないし、交流プログラムに参加してきた人たちも、特に現状を知っていたわけでもないと思う。
でも、そういう自分と同じ立場の人たちが、学んできたこと、感じてきたことについて、難しい言葉を使わず素直な気持ちで発表してくれたので、ダイレクトに伝わってきた。
自分は参加できなかっただけに、このような報告会があるのはとても嬉しい」、という感想も聞こえてきた。
ロラたちの支援基金にあてたい、と会場で販売された現地のポストカードも好評。売上の9割が医療支援基金にまわされるという。
また、募金箱にも多くの人が賛同してくれた。ケニアまでの目標金額として、フィリピンでの口座開設に必要な400米ドルが設定されたが、1月19日に目標金額に達し、現在もピースボートセンター前に設置された募金箱にお金が集まり続けている。
(堀江武)
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