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12月31日
パネルディスカッション:ゆく年来る年〜戦争の2003年、希望の2004年〜
 まもなく暮れゆく、2003年。今年を語るのに「戦争」という言葉を避けて通ることはできない。このパネルディスカッションでは、そんな2003年をふり返りつつ、2004年をどう生きるか、どうしていきたいかということが話された。
豊田直巳さん(フォトジャーナリスト)
 「僕らは非暴力であれば、武器を持たなければ、国際貢献や平和への寄与ができる。僕らがもっと非暴力ということを言い続ければ、希望の2004年はきっと来るだろう」

四ノ宮浩さん(映画監督)
 「9.11のワールドトレードセンターの跡に行ったとき、米国の人の心が変わらなければ世界は変わらないと思いました。暴力に暴力で対抗してはいけないのです。今までの過去はすべて、許しなさい。時間をかけながらイラクの人々がアメリカ人を許してゆく、そんな映画を2004年はつくりたい」

琴玲夏(ピースボートスタッフ)
 「2003年は、こんなに酷いものはないと思った人生最悪の年でした。2002年9月17日以降、これから長い悪夢が始まると直感し、その直感は現実となってしまいました。
 在日コリアンに対する嫌がらせが始まりました。『どうして日本に生まれてしまったんだろう』と、思春期で終わったはずの問が再び甦りました。もし北朝鮮が戦争になったら、イラク反戦デモで一緒に歩いた人たちの中の一体何人が一緒に歩いてくれるのだろうか、日本を逃げてどこに行こうかと考えてしまいます。『日本を逃げたい』と思わずに生きてゆけるような社会をつくりたいです」

田中優さん(「未来バンク」理事)
 「2003年は、残念ながらとても暗い年になっちゃったなぁと思います。人の価値が虫けらのようにどんどん下がってしまったからです。まず人間が大事にできなければ、環境なんて大事にできません。私たちは、なぜ戦争をするのかという問を、問い続けなければいけません。私たちが自分の意志で生きる、その一歩を刻む年が、希望の2004年です」

星野ゆかさん(CHANCE!Pono2)
 「私たちがどんな選択をし、どんな行動をするのかによっていろんな未来がありうると思います。これまで、日本の市民運動はダメだと言われてきました。でも、イラク反戦デモを中心とした"World Peace Now"では、7000人から始まったデモで、最終的には5万もの人が集まりました。本当に、デモに明けてデモに暮れた1年でした。
 2004年は、豊田さんの言ったように、非暴力による市民の力がさらに活躍してくると思います」

川田龍平さん(人権アクティビスト)
 「今年は日本にとって、選挙の年でもありました。そして2004年もやはり、選挙の年になるでしょう。まだ僕には、被選挙権はないけれど、どんどん関わって、政治を変えてゆきたいと思います」

イー・チュンヒさん(韓国・聖公会大学より)
 「来年は無理でも、再来年はぜひ、韓国と北朝鮮の統一を。そして、北朝鮮の人と手をつないでピースボートに乗りたいです」
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