第41回ピースボート地球一周クルーズ寄港地インフォメーション
シンガポール

国名
シンガポール共和国 (Republic of Singapore)

ことば
中国語 (公用語は北京語)
・解説
 19世紀、イギリス東インド会社の中国との貿易中継地としてイギリスの植民地下に。第二次世界大戦中は日本の支配下におかれ、「昭南島」と改名された。戦後イギリスの直轄植民地となり、1963年、マラヤ、ボルネオなどとともに「マレーシア連邦」として独立。しかし、連邦政府はマレー人優遇政策をとり、華僑の多いシンガポールはこれと対立を深める。
 65年、連邦を脱退し、シンガポール共和国として独立。リ・クワン・ユー首相が進めた積極的な海外企業誘致、金融市場の育成などにより、「奇跡」ともいわれる経済成長をとげた。「ゴミひとつない」ほどに整備された街並みと、それを実現している「管理国家」ぶりも有名だ。

[ラクサ/Lakusa]
 ココナッツ風味のカレー味スープに、太いビーフンが入った麺料理。具には貝類、フィッシュボール、チキン、もやしなどが入っている。唐辛子もばっちりで、かなりスパイシーで辛いが、日本人にも人気。

[中華がゆ]
 早朝の街に繰り出す機会があったらぜひトライしておきたいのが中華がゆの朝食。日本の「おかゆ」とはまったく別物で、熱々のかゆの中には、魚の切り身やツミレなどの具が入っている。ときには半分ナマの魚が入っていることもあって、これがまたウマイ。

[クエ・ダダール&オンデオンデ/Kueh Dadar & Onde Onde]
 
どちらもマレー風のお菓子。クレープのような緑色の皮にココナッツフレークをくるんだクエ・ダダールと、同じく緑色(植物の葉っぱを絞ったジュースで色付けするとか)のおもちのような皮の中に黒みつが入って、ココナッツフレークがまぶしてあるオンデオンデ。どちらもそれほど甘すぎず、やさしい味わいだ。

[スチュワーデスの制服]
 本来はマレー系の女性用正装なのだが、シンガポール航空のスチュワーデス制服として有名になりすぎた。観光客がつどう場所で簡単に見つけられるだろう。3000円程度で買えるわりには、けっこう高そうに見える上、デザインのバリエーションもいろいろなので、お土産にはうってつけ。

[Tシャツ]
 シンガポールはいろんな罰金があることで有名。ガムは作っても売っても買っても罰金。ゴミのポイ捨て、つばを吐く、地下鉄内での飲食、これすべて罰金。英語では「すばらしい」と「罰金」は同じつづりの”fine”。これをもじって”Singapore is FINE city”とプリントされたTシャツが土産として売られている。

[マーライオンパーク/Merlion Park]
 シンガポールの象徴的存在ともいえるマーライオン。14世紀ごろにやってきたスマトラの王子が獅子に似た動物を見たことから、この地はサンスクリット語で「シンガ(獅子)プラ(都)」と呼ばれるようになった、という伝説にちなんでつくられたものだ。頭は獅子、下半身は港町シンガポールを象徴する魚をかたどっている。
 高さは約8メートル、40トンものセメントを使って作られたという純白の像。近ごろは、写真で見るような「水を吐き出している」光景はなかなか見られないらしいが、シンガポールに来た記念に訪れておくのも悪くはない。ちなみに、実は「マーライオンパーク」からはマーライオンの背中しかおがむことができないので、全体を見たいときはシンガポール川をはさんで対岸にある「エリザベス・ウォーク」へ。海沿いに伸びる、緑多い遊歩道だ。

[多民族ストリート]
 国全体が整備された公園といった感じのシンガポールにあって、濃厚な生活の香りと猥雑さが味わえる地域。道教や仏教寺院のまわりに、いまなお素朴な庶民生活が息づくチャイナタウン。巨大スーパーマーケットや活気あふれる屋台を見てまわるのも楽しい。昔ながらの中華街を復興したタンジョン・パガーも見逃せない。またサルタン・モスクを囲むように、籐製品やバティックなどを扱う商店、ムスリムレストランが軒を連ねるアラブストリート。さらにスパイスやジャスミンのにおいが漂い、極彩色のヒンドゥー寺院を背景にして、優雅なサリーをまとった女性たちが街をゆくリトルインディア。それぞれの民族の食や文化、そして色彩が織りなす街並みを散策してみてはいかが。

[戦争記念公園/War Memorial Park]
 超近代都市のど真ん中、エキゾチックな「白亜の館」ラッフルズホテルのちょうど向かい側にある公園。美しい緑の芝が広がる中には、ひときわ目立つ巨大なモニュメントが立つ。高さ68mのこの白い塔は、「日本占領時期死難人民記念碑」、別名を「血債の塔」という。1942年から始まった日本軍による占領期に犠牲となった人々の慰霊塔として、 1967年、シンガポール・日本両政府の協力により建設された。中には遺骨や遺品が埋葬されており、中央の4本の柱は、犠牲になった華人、マレー人、インド人、ヨーロッパ人を表しているという。
[寄港地担当者より]
 シンガポールといえば、イメージされるのは高層ビルが立ち並ぶガーデンシティ。その「整い」すぎた様相に、実のところ、あんまり「オモシロそう」って期待している人も、少ないのではないでしょうか?
 でも、ビルの谷間から見える色鮮やかなヒンズー教寺院、買い食いも楽しいアラブストリートやインド人街…。そのつもりで見てみれば、実は意外に「人間くさい」都市じゃないかとも思います。その自然な「多民族共生」ぶりからは、学び取ることも多いはず。短い滞在ですが、良いところも悪いところもひっくるめて、「シンガポール」を体験してみてください。
(山本隆)

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