▼「地果てる地」ロカ岬をのぞむ▼
 リスボンからバスで1時間あまり。都会の喧噪から離れ、ポルトガルの小さな村とユーラシア大陸最西端のロカ岬を訪れた。
 ポルトガルの詩人、カモンエスが「ここに地果て、海始まる」と詠んだロカ岬。風に吹かれながら、かつて「新世界」を求めた航海者たちが船を繰り出した海を眺める…そんな1日だった。
 かつて英国の詩人バイロンが「この世のエデン(楽園)」と呼んだ山間の小村・シントラを訪問。メインストリートは土産物屋と観光客で賑わうが、路地に入ると深い緑と鮮やかな花に彩られた美しい家並みが続く。石畳が続く裏道を歩けば、自然と素敵な詩も浮かぶというもの?
 北緯38度47分、東経9度30分、ユーラシア大陸最西端。このロカ岬は、本当にただの崖。ポルトガルの大詩人・カモンエスのうたった一節を刻んだ石碑がポツンと建っているだけ。こうして毎日観光客が訪れているのに、自然に近い姿で残してあるのは、かえって新鮮かも。
 案内所では参加者全員分の名前入りの「最西端到達証明書」を発行してもらい、いい記念となった。
 断崖に打ちつける白波はやはりダイナミック。岬の突端に立って140メートルの崖を見下ろせば、緊張感が溢れスリル満点!でも、むやみやたらに柵や注意書きなど建てないところが、ある意味「おおらか」でもある。あたり一面は野の花の咲く丘が広がり、ちょっとしたハイキングも楽しんだ。
 帰路に訪れたのは、賑やかなビーチのある港町カスカイス。レストランや土産物屋、ブティックなどが並びショッピングモールもあるリゾート地。カフェでアイスクリームを食べたり、ビーチで泳いだり、海沿いのベンチに座って手紙を書いたりと、みんな思い思いの時間を過ごしていた。
(松本亜希)
リスボン寄港地レポートインデックス41回クルーズレポートインデックス