▼移民のまちでサッカー交流▼
冒険者たちの出発点であるポルトガル・リスボンは、かつて植民地だったアフリカ大陸や南米大陸からの移民たちがたくさん暮らすところでもある。そんな彼らを訪ねてサッカー交流。サッカーを思い切り楽しむと同時に「多民族共生」についても考えさせられるプログラムだった。
港からバスで約30分。アフリカ大陸からの移民がつくったコミュニティーにある「モイーニョ若者文化協会」に到着した。
ここは言葉や文化の違いから、社会的・経済的に不利な立場に置かれることの多い移民の権利の保障や、生活の向上、教育や保健衛生などのサポートをしているNGOだ。さっそくボールを持った子供たちが笑顔で迎えてくれた。
当初予定していたグラウンドのコンディションが悪かったため、急きょ近くのバスケットコートで6対6のミニゲームをすることに。慣れないコンクリートの上だったが、両チームとも負けず嫌いのせいか、とっても白熱した試合になった。サッカーはボールひとつあればどこでもできる、それをあらためて実感した瞬間。
コートから施設までの帰り道は、コミュニティーを散策しながらの移動となった。彼らが暮らしている地域は質素な家が密集し、衛生状態もあんまり良くなさそうだ。が、通りをはさんで向かい側にはコンクリート造りのきれいなアパートが立ち並び、高級車が止まっている。その対照的な光景を見て、この町が抱える問題が少しはわかった、気がする。
おやつタイムのあと、現地の子どもたちがダンスを披露してくれた。「故郷」から受け継いだアイデンティティーを守り、文化を継承していこうと、伝統的な音楽やダンスのプログラムをおこなっているのだ。
お返しとして、僕たちは今クルーズの出航曲「島人ぬ宝」をみんなで歌った。何かを表現することによって、お互いのことを少しずつでも知ることが出来る。頭も体もフル回転の一日だった。
(高橋典靖、中村充利)
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