▼聖地モンセラットをたずねて▼
バルセロナからバスで約1時間。世界遺産にも指定されているモンセラットを訪れるツアーに参加した。ここの見どころといえば、圧倒的な迫力と神秘的な魅力を持つ岩山、そこに建つ修道院、そして黒いマリア像だろうか。モンセラットがカタルーニャの聖地と呼 ばれるゆえんに迫った一日をレポート。
午前中はバルセロナ市内を観光。圧倒されるのはやはり、ガウディのサグラダ・ファミリアだ。大きさだけではなく、柱一本一本の繊細さと美しさにため息がでる。最近になって工事は急ピッチで進められ、完成まであと200年といわれていた時間もだいぶん短縮されるという話だった。
昼食後、バスはモンセラットへ。街を離れ、くねくねした急な坂道を登り切ると見えてきたのは修道院。そして、背後にそびえ立つ不思議な形をした岩山が、訪れた人々を見下ろしている。参加者たちは顔を見合わせて「すごい、すごい」と口を揃え、とにかく圧倒されていた。
静かな修道院の中にはひんやりとした空気が流れていた。中での写真撮影はできなかったが、黒いマリア像の前に立ち、静かに目を閉じて祈りを捧げる人の姿が印象的だった。絵が飾られ、ろうそくの灯が揺れているこの場所は、修道院への通路になっている建物の内部。
修道院のから外を見下ろすと、そこには壮大なパノラマが広がっていた。ひとつの谷の向こうにまた谷が続いている。かつて同じものを信じてここに集まった人々は、何を思いながらこの風景を見つめていたのだろう。
(中村充利)
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