[バル/Bar]
料理の名前ではなく、スペインで食事をするのには欠かせない場所。軽食とお酒が並ぶ、居酒屋兼立ち食い軽食屋といったところ。早朝から夜遅くまでやっているところが多いのも、値段が手ごろなのも嬉しい。
[ボカデイージョ/Bocadillo]
バゲット(フランスパン)に、生ハム、ベーコン、イカやタコ、ジャガイモ入りのオムレツなどをはさんだサンドイッチ。軽食として人気があり、大抵どこのバルにも並んでいる。マヨネーズなども使わないのが一般的なので、シンプル好みの方におすすめ。
[コーヒー/Cafe]
スペインのコーヒーはとても種類が豊富。メニューを見ても、ついつい目移りしてしまいそう。小さなカップで出てくるエスプレッソは有名だが、これにほぼ同量のミルクを入れれば「カフェ・コン・レチェ」。ミルクの量を減らせば「コルタード」。エスプレッソに別に氷が添えられて出てきて、自分でアイス・コーヒーにして飲む「カフェ・コン・イエロ」も面白い。
[サルスエラ/Zarzuela]
カタルーニャ地方の名物料理で、「カタルーニャ風ブイヤベース」の異名をとる。トマト、サフランをベースにしたシチューのようなもので、地中海の海の幸をふんだんに使う。仕上げはアーモンドとニンニクをすりつぶしたもの。コクがあって美味。
[アリオリ/Alioli]
ニンニク、卵黄、オリーブオイルなどで作ったマヨネーズ状のソース。カタルーニャ料理の基本ともいえるもので、ゆでた肉や魚など、何にでもつけて食べる。唐辛子、トマト、アーモンド、ニンニク、オリーブオイル、ビネガーで作ったロメスコというソースと混ぜて食する場合もある。
[画集、写真集]
美術館、書店などで買えるおすすめお土産が、画集や写真集。解説はもちろんスペイン語オンリーの場合が多いが、見ているだけでじゅうぶん楽しめるし、日本で買うよりかなり安い。
[陶器]
スペインでは、地方ごとに特色のあるさまざまな陶器が有名だが、バルセロナの街にもたくさんの陶器屋さんがある。色鮮やかで美しいものから、素朴な素焼きのものまで、種類もさまざま。バルセロナの南東に位置するマジョルカ島で作られているガラス細工も人気だ。
[サグラダ・ファミリア/Sagrada Familia]
言わずと知れたバルセロナのシンボル。天才建築家ガウディ(1852〜1926年)の代表作ともいえる。建設がはじまってからなんと110年以上、今も建築途上にある。高さ100メートルの尖塔を螺旋階段で一生懸命に登っても、何かがあるというわけではない。市内が一望できるのみだ。外壁には、「石の聖書」と呼ばれるように、キリストの生誕物語が掘り込まれている。ゆったりと時の流れに身を任せて、一日中ぼんやりなんていう贅沢も。
このほか、グエル公園、バトリョー邸など、おもなガウデイ建築の見どころは市内に集中している。
[ランプラス通り/Las Ramblas]
港から街の中心のカタルーニャ広場へと突き抜けるメインストリート。街路樹が美しく、たくさんの出店や大道芸が目を楽しませてくれる。
1930年代の「スペイン市民戦争」で市街戦場となった場所でもあり、のちにルポルタージュ『カタロニア賛歌』を著したイギリスの作家、ジョージ・オーウェルが見張りにたったというポリオラマ劇場、崩れ落ちたベレン教会などが今も残っている。
[サン・ジョゼップ市場/Mercado de Sant Josep]
街に行商人が増えすぎたために、「彼らを一ヶ所に集める必要がある」として、1840年に建てられた市場。堂々たる建築で、今もバリバリの現役。新鮮な魚介類やまるごと一頭の羊などが所狭しと並び、バルセロナ市民の胃袋を支えている。
[ピカソ美術館/Museo Picasso]
14歳のとき、父親の転勤でバルセロナに移ってきたパブロ・ピカソ。のちに天才画家として世界的に有名になる彼は、この町で10代のほとんどを過ごした。この美術館には、ピカソの家族が寄贈した多数の油彩、素描が収められている。
[寄港地担当者より]
「マドリードに次ぐスペイン第二の都市」と形容されることの多いバルセロナ。でも、ここに暮らす人たちにとってはちょっと不本意な言い表され方なのかも知れません。
彼らにとっては、ここは「スペイン」である前に「カタルーニャ」。カタルーニャ語という独自の言葉を持ち、自治政府も抱えています。マドリード率いるカスティーリャ地方に弾圧された歴史をひもといてみれば、その「民族意識」にうなずけるのでは?
この街が生んだ偉大なる芸術家・ガウディの建築群をめぐり、バル(居酒屋)で人々と語らいながら、「スペイン」と一括りにはできないバルセロナの魅力を、ぜひ発見してみてください。
(井上誠)
バルセロナ寄港地インフォメーション