6月20日 中東がわかれば世界が解る/高橋和夫(放送大学助教授)
水先案内人の高橋和夫さんによる「シリーズ企画」3回目。本日も大入りの中おこなわれた。今回のキーワードは「中東」。日本人が持っている「中東」に対するイメージは、いかに思い込みに満ちたものであるかを語ってくださった。
「『中東=イスラム教=砂漠』というのは違います。中東という場所の具体的な定義もあいまいであるし、イスラム教徒が一番多い国は、1位はインドネシア、次いでパキスタン、バングラディッシュ…となるからです。私たち日本人は、中東の人のアイデンティティを一方的に決めつけているのではないでしょうか?『アイデンティティ』とは与えられるものではなく、自分自身で選びとる『主体性』だと思います」
6月20日 シンポジウム・テレビと国際政治/高橋和夫(放送大学助教授)
高橋和夫さんによる「シリーズ企画」第2弾。今回のテーマは「戦争」をめぐるメディアについて。ご自身も放送大学、そして報道番組のコメンテーターなど、テレビに出演される機会の多い高橋さんご自身がテレビについて語った。
「テレビは、国際政治にどのような影響を及ぼしてきたのでしょう。考えてみると、今まではCNNのような、欧米の巨大メディアが政治的な意図や商業的な配慮に基づいた情報を流していました。視聴者はただ受動的に、与えられた情報を信じていたし、信じるしかなかったのです。
しかしこれから注目されていくのは『地域メディア』ではないでしょうか。例えば、クルド人がクルド人のためにつくったテレビ局、イスラム社会に暮らす人に向けてつくられたアル・ジャジーラ。テレビなどのことを『ブロードキャスト』と言いますが、逆にこういった『ナローキャスティング』のメディアにも注目し、その立場からの情報をとらえることで、真実とは何なのかを考えていく必要があります。私たち『見る側』が、能動的に情報を取り、選んでいく必要があるのです」。
(高橋典靖)
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