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チリUPAスタディーツアー
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UPA国際協力プロジェクトでは、チリに寄港した際、NGO「CDI(情報技術民主化委員会)」にパソコンを届けた。「CDI」は、パソコンやインターネットをすべての人に広めていこうというブラジル生まれのNGOで、南米全体に活動を広げている。今回は、チリにある麻薬中毒患者のリハビリセンターで運営されているパソコン教室を訪問するとともに、そこで働く人やコンピューターを学ぶ人たちから話を聞くことができた。
出発前には船内にて、CDIのスタッフ・エルヘーニョさんによるプレゼンテーションが行われた。昨年2月にもUPAではチリにパソコンを届けており、今回はその時の映像なども交えつつ、CDIの活動目的をわかりやすく説明してくれた。
「CDIでは、パソコン技術はあくまで人間が使うための‘道具’にすぎず、技術を身に付けること自体が目的なのではありません。技術を身につける過程で、子どもたちが自信を持ち、好奇心や勉強意欲を刺激されることで、識字教育を促進したり就職のチャンスを拡大したり、社会の問題を考える力を養うことを目指しています」。
いよいよ、船から約150台のパソコン降ろし。これは、ひろく一般に呼びかけたことで、企業や個人が提供してくださったものだ。
降ろす作業は乗船者有志・約50名。慣れた作業ではないために時間はかかったが、日本の反対側でおこなう、ちょっと変った体験には大盛り上がり。これだけの量を自分たちの手で直接届けることが出来るのはピースボートだけだろう。その様子は、チリのメディアにも注目を浴び、大々的に取り上げられた。
「他の国の文化を、インターネットを使って学ぶことが楽しい」。以前届けたパソコンを使うクリストファーくん(17歳)はそう語った。ここでインターネットを使うことで、彼らは「情報の得方」を学び、パソコン技術を習得し、社会へと出ていくのだ。また、ここでの「先生役」は、リハビリをうけ回復した人が務めているそうだ。
スタッフのロージーさんはこういった。 「パソコンをくれたことによって若者たちは前に進むことができる。そして私たちにとっては皆さんの訪問それ自体がプレゼントの様なものです。パソコンにとどまるだけでなく、私たちと皆の連携がとれた日だから。いろんな所から、こうして1つに集まったことが重要なのです」。
UPAの援助物資は、単に届けて「終わり」なのではない。物資支援をきっかけに、人々が出会う。そうやって繋がっていくことが、次への新たな一歩となっていくのだと感じさせられたツアーとなった。
(小林由佳)
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