首都サンチアゴ観光
 チリの人口の約3分の1にもなる、550万の人口を抱えるチリの首都・サンチアゴ。スペイン植民地時代に建てられた、重厚な建物や石畳が数多く残る旧市街地の観光スポットを巡る。観光と同時に、チリの歴史をたどることのできる1日でもあった。
 16世紀に建てられたカテドラル(大聖堂)は、チリ・カトリックの総本山。 なかは、美しい彫刻や壁画・ステンドグラスで飾られ、なんとも荘厳な感じだ。この教会は、現在も市民が集う信仰の場。軍事独裁政権時代には、反体制運動の拠点でもあったという。
 サンチアゴ旧市街の中心、アルマス広場に植えられたチリヤシの木。チリだけに生えるこのヤシは、高さ20〜30メートルにもなるという。写真の木は樹齢が60年、12メートルほど。 アルマス広場を囲むカテドラルや博物館、宮殿などの建物はすべて、植民地時代の遺産だと考えると、ちょっと複雑な気分になる。
 旧市街の中央市場には、生鮮食品や加工食品ブースと並んでいくつかのレストランがある。その中の1つで昼食をとった。メニューはチリの代表的な料理、生の白身魚をレモンでしめた「セビージャ」とチリ風シーフード鍋「ソパ・デ・マリスコス」。チリの食文化に触れたひとときだった。
 1973年のピノチェトによるクーデターの舞台となったモネダ宮殿。当時の大統領アジェンデは、ここで殺された。空爆の跡もすっかり修復され、民政がしかれる現在は、警備の兵士もニコヤカとまでは言わないけれど、快く記念撮影に応じていた。
(矢島佐世)
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