南極クルーズ
 世界最南端の町ウシュアイアから、砕氷船「ポーラスター」に乗り込み、いざ南極へ。日本の約33倍の面積をもつ南極大陸は、そのうち約97パーセントが氷に覆われ、残りの3パーセントに様々な野生動物が生息している。氷山、華麗なダンスを見せるクジラの親子や愛らしいペンギンのヒナなど、豊かな自然に感動しっぱなしの南極クルーズをレポート!
 荒海として有名なドレーク海峡を通過途中、ザトウクジラの親子に遭遇。船の周りを何度も旋回しながら、華麗なダンスを一時間ほど披露してくれた。
  エクスペディション(南極専門家)リーダーの話によると、大抵5分位で姿を消してしまうとのことで、ラッキー!その後上陸したエイチョウ島でも、ジェンツーペンギンやアゴヒゲペンギンのかわいらしい姿にみんな大喜びだった。
 2日目、幅2キロメートルほどの溶岩でできたポーレット島へ。しかしいざ着いてみると、岩肌が見えないぐらい無数のアデリーペンギンに覆われていて、上陸を断念…。また、南極半島の北端に位置するブラウンブラフでは、ここの名前の由来にもなった赤茶色の火山岩や、ペンギンのコロニーなど、帰船リミットぎりぎりまでカメラを片手に夢中になった。
 上陸3日目。リビングストーン島の南海岸に位置するハンナ岬へ。ここでは、南極で唯一花が咲く植物、ヘアグラスとコレバンサスを観察。言われなければ見過ごしてしまいそうなほど小さい植物だ。
 捕鯨基地として使われていたデセプション島へ。この島は海底火山の火口部にあたるカルデラ島で、温泉が湧き出ている。
  捕鯨基地跡やビューポイントであるネプチューンウインドウからの景色を楽しんでいる間に、エクスペディションリーダーがビーチを掘って温泉を作ってくれた。夏とはいえどもやっぱり寒い南極で、意を決して水着姿で温泉へ!やっぱり日本人は温泉好き?!
 4日目にはゴーディエール島へ。南極では、訪問者の存在が南極の環境や生態系にダメージを与えないよう、「動物・野鳥、ペンギンからは最低5メートル、オットセイからは15メートル以上離れなければならない」などの様々なルールが設けられている。しかし好奇心が強いペンギンのヒナは近寄って来ることも多く、時にはこんな光景も。
  今回の南極クルーズを通して、手つかずの自然を体いっぱいに感じることができたが、と同時に南極大陸における環境保護の大切さを痛感した。
(大島美千代)
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