▼経済特区深センをゆく▼ |
深センでいま最も成長しているのはIT産業だという。その中でも急成長している企業「PHOTON」を訪れた。大きく新しいビルには、この会社だけでなく、政府の科学技術省の一部も入っている。ここでは、「WTO(世界貿易機関)」の専門家、そしてここで働く若者たちから直接話を聞くことができた。 |
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入口にある「光のテクノロジーを使って未来をひらいていこう」というスローガンの通り、光ファイバーや通信機器などを扱っている。取引先は日本が多く、また、国内15の市で政府から「ケーブルテレビの開設」の許可も得てきた。また、国際的な環境基準である「ISO9001」を、中国で最もはやく取得した企業でもある。中は広く新しく、入り口付近には、ちょっとしたカフェテリアもあった。 |
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2001年、大きなニュースとなった中国の「WTO」加盟。それは中国の人々にどんな影響をもたらしているのか。政府側からWTO関連の仕事に携わるリー・ホングンさんをお招きして話を聞いた。彼女の話の中から、WTO加盟によって最も大きな影響を受けた「農業」について話した部分を紹介する。
「WTOに加盟したということは、特定の産業を保護しないということです。たとえば、中国人は日本の米が大変好きですが、日本人はそれほど中国の米が好きではありません。なので日本への米輸出は望めません。また、中国では最近、野菜の農薬残留がたいへんな問題になっています。そこで政府は、中国のものは質が悪いとして、農業への保護政策を取りやめました。しかし、農業から工業に移行する人たちはたくさんいます。2億以上の人々が、何らかの形で農業から離れていっています。そしていま、中国ではインフラ設備や労働者の開発教育などが整っていないという問題が起こっています。深センに求められているのはそこだと思います」。
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ツアーの最後はグループに分かれて、「休日出勤」をしてきた若手ビジネスマンを囲んでのQ&A。仕事のことやプライベート、いろんなことを質問したり、また反対にこちらが「日本」について質問されたり。この写真の男性は、社長室に勤務する27歳。「日本文化に興味があります。いつか日本に行きたいです」という彼は、何度もこう言っていた。「中国の未来は明るいでしょう。いまの中国には、個人が『成功する』ためのチャンスがあると思っています」。
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