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ナミブの大地をゆく
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ケープタウンでオリビア号から一時離脱。一足先に次の寄港地・ナミビアへ飛び、「世界最古の沙漠」と呼ばれるナミブを満喫するこのコース。世界の中でも人口密度の低い国といわれるナミビアで出会った大自然はあまりに壮大。太陽に照らされ、真っ赤に染まる 砂丘「ソソスフレイ」の幻想的な美しさに感動し、また、厳しい環境で生きる植物や動物の生命力に驚かされる4日間となった。
見渡す限り広がるナミブ沙漠の中に突然現れるクイゼブ渓谷。ここに深さ30メートルもの土を削り取るくらい大量の水が流れていたとは、乾燥しきった今の姿からは想像不可能。しかし100年前には、必ず水がある場所として、沙漠を旅する人々に信頼されていたという。
ちなみに、今の降水量は年間80ミリ平方メートル程度。日本ならば、1日分でもあり得る量だ。
バスが止まると、何故かたくさんの雀たちがバスの下に寄ってくる。狙いは、エアコンから滴り落ちる水滴。こんなことでも、水が貴重な沙漠の現実が感じられる。
この旅の目玉、赤土の砂漠「ソソスフレイ」へ。ほかの砂丘との決定的な違いは「色」。含まれた鉱物資源の違いから、砂の色もちがってくるという。日の出から日の入りまで、太陽の光、また照らされる角度によって色を変え、その姿は言葉もでない程の美しさ。
砂丘の天辺まで登った後は、この広大な風景を何とか写真に残そうと悪戦苦闘する人、色の移り変わりをただただ眺め続ける人。好きな音楽を聴きながら寝転がる人など、各々の方法でそれぞれの時を過ごす。
下からだけでなく、空からも砂丘を眺めようということでセスナに乗り込む。何百万年も前から存在し、高いものでは380メートルにもなるという砂丘が、見渡す限りいくつも連なっていた。この自然の曲線美は、風の気まぐれで日々変化し、全く同じ形は二度と見 られない。
「ここに来なければナミビアに来た意味がない」と言われる理由を実感する、大満足の4日間となった。
(寺田満実子)
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