船内ニュース
1月29日 南極ってどんなところ?/藤原幸一(海洋写真家)
 ブエノスアイレスから乗船された水先案内人の藤原幸一さん。海洋学者でもあり写真家でもある藤原さんは、ペンギンがかわいくて、それを撮りに行ったところから、南極・そして地球環境にも目を向けるようになったという。今回は、南極の抱える問題について、スライドを使ってわかりやすく話してくださった。
   「南極の抱えている問題は、オゾンホールや温暖化問題だけではありません。最近、閉鎖された基地を南極の歴史遺産として登録し始める国がでてきました。基地を撤去すれば、そこにはペンギンが戻ってきます。しかし、それには莫大な費用がかかるために、一時閉鎖にしてゴーストタウンにしてきたのです。今度はそれを遺産として登録することで、ゴミとならず、したがって撤去しなくてもよくなるんですね。
  厳しく規制されていると思われがちな『南極条約』ですが、非常にザル法なんです。地球最後のフロンティアと呼ぶ人もいますが、南極はどこの国にも所属しておらず、誰も規制をかけないので、下手をすると『地球最後のゴミ捨て場』に使われる恐れもあります。」
(中村真美)
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