1月17日 立ち上がるスラムの人々/下郷さとみ(フリーライター)
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ストリートチルドレン、ファベーラ――前回までの講座で、ブラジルのそんな一面を語った下郷さとみさん。最終講座では、ファベーラに暮らす人々と、ファベーラで住民たちがつくった組織に焦点を当てて話してくださった。 |
「どこのファベーラにも、住民たちがつくった組織があります。彼らの多くは、ファベーラの住環境や教育改善などに取り組むことが多いです。例えば、市役所と粘り強く交渉し、補助金を引き出して学童保育に力を入れているファベーラはたくさんありますし、サン タマルタというファベーラでは、『CDI』というNGOが子どもたちにパソコンを教えるためのパソコン教室をつくりました。そのパソコン教室自体の運営は、住民たちに任せられたのです。いまやそのパソコン教室は、他のファベーラにも広がっています。
また、ヴィガリオ・ジェラウというファベーラでつくられたのは「アフロへイギ」という名のバンド。子どもたちは彼らに憧れ、また彼らも子どもたちに音楽やダンスを教えています。音楽に夢中になることで、子どもたちは犯罪に走らないようになっていきます。
ファベーラの人々は『政府が何もしてくれないからといって座り込んでいても仕方ない』と立ち上がり、次の世代の子供達のために頑張っているのです。」
(藤森美里)
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