12月23日 メガ・プロジェクト〜どないやねん アジア・アフリカにとって〜
/ロッド・ハーベン(ジャーナリスト)
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アジア・アフリカの環境問題を扱う専門家であるロッド・ハーベンさんによる講座の第一弾。「メガ・プロジェクト」が引き起こしている問題について、実際の映像を見せて頂きながらの講座になった。「メガ・プロジェクト」というのは、お金を沢山使う計画のこと。部外者が利益を追求しておこなっているもので、現地人のニーズが反映されていないという現状があるという。 |
「たとえば、東南アジア一帯を流れるメコン川。ここでは『世界銀行』からの援助により、タイ、ラオス、中国の企業が共同で、川沿いにダムを建設しています。また、多くの物を運ぶ大きな船を通すため、爆発による川の拡大工事も行われています。そのため、水流の変化により増水し死亡する人が出たり、動植物の生態系の乱れが生じ食糧が不足したり、大切なたんぱく源である魚がとれなくなるなどの悪影響が出ています。
『世界銀行』の目的は本来、途上国の貧困をなくすことでした。また、そのガイドラインには、開発において現地の人々の生活を尊重しなければいけないと書いてあるはずなのに、実際は尊重されるどころか悪化する一方です。理想としては、ボトムアップな開発(コミュニティから始まる開発)です。まずは、そこに住む人々の意見を聞くことが大切です。適度な開発とは何か、そして生活をよりよくするために必要なプロジェクトは何なのかを考えていく必要があります。」
(平野弥生)
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モニカ先生のケニア大解剖/モニカ・ムシェル(医師) |
ケニアというといちばんに思い浮かべるのは「サファリ」。だが、そんなケニアにもいろんな面がある。そこで、ケニアから乗船された水先案内人、モニカさんに、医療・教育・行政などのさまざまな視点から「ケニア」を語っていただいた。モニカさんが医師であるということで、ここではケニアにおける「医療」についてモニカさんが語った部分を紹介する。 |
「ケニアでは平均寿命が47才と、とても短いです。これは、予防接種が普及していないために、子どもの頃に結核や水ぼうそうなどにかかり、幼い頃に亡くなってしまうためです。また、貧困、交通事故、エイズによる死亡も多く見られます。エイズに関しては、日本からの資金援助で、以前よりもだいぶ死亡率が低下しました。しかし医療制度はまだ見直しが必要がです。それは、現状のままではお金がなくて医療サービスを受けられない人が多いからでもあります。私は、そういったまわりの人々の苦しみを見て、自分をいちばん活かせることができるのは医学の道だと思い、医師になりました。」
(平野弥生)
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