船内ニュース
12月13日 希望としての子ども/灰谷健次郎(作家)
 「もともと子どもが嫌いだった」という灰谷さんは、教師として子どもに接していくうちに子どもの魅力に気がついた、という。最終となるこの講座では、「子どもの存在」そのものが「希望」なんだということを、たくさんの子どもの詩や、ご自身が経験された出来事を交えながら語った。ここでは、あるおしゃべりな小学校一年生の男の子が書いた詩を朗読したあと、灰谷さん自身のコメントを紹介する。
 「一体どうして、こんな詩が書けるのでしょうか。子どもが書くものには、とても子どもが書いたと思えないという表現や大人に勝る観察力があります。大人が子どもに勝てないところ、それは『感受性』です。これだけは、どんな大人でも勝てません。感受性を伸ばすには、自分が親でいることや先生でいること、教えることやしつけなければいけないという考えからいったん離れて、まずは子どもの話、子どもの声をひたすら聞く。子どもが何を言おうとしているのか知ろうとすることは、大変だけれども、非常に大事なことなのです。」
(中村真美)
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