船内ニュース
9月14日 インド・パキスタン紛争〜カシミールの現場から〜
/ヴェド・バシン(ジャーナリスト)
 日本の報道でも時々耳にするインド・パキスタン紛争。しかし、実際どんなことが おこっているのか、またその背景は何なのかということはあまり知られていません。
 そこで、ジャーナリストで、カシミール唯一の独立系新聞「カシミールタイムズ」の創設者ベッド・バシムさんに、インド・パキスタン紛争とカシミールの現状について話していただきました。
 「1947年、英国領だったインドとパキスタンが独立したとき、領主がヒンドゥー教、 国民の78%がイスラム教徒だったカシミールでは、インドとパキスタンのどちらに帰属する のかが問題となりました。結局、どちらにつくか決めかねたカシミールは、パキスタンの侵 攻を受けて、インド領とパキスタン領に分割されたのです。
 それから、インドとパキスタンはカシミールをめぐって何度も争っています。しかし、そこではカシミールの人々の声は、まったく無視されています。インド・パキスタン共に、政治家たちはこの現状が続くことを願っているのです。それは、自分たちの利益のためです。この利己的視点を止めて、カシミールの人々の苦しみを理解し、交渉と軍隊の撤退をするべきです。また、世界の人々にもカシミールに関心を持ってほしい。インドとパキスタンに、武力ではなく話し合いによる解決をするよう、声をあげて欲しいと思います」
(西野恵美)
ボランティアってなぁに?〜きっかけはエリトリア〜/土井香苗(弁護士)
 水先案内人・土井香苗さんによる2回目の講座、『ボランティアってなぁに?〜きっかけはエリトリア〜』。1997年から1年間、独立後間もないエリトリアでボランティアとして法整備に関わっていた土井さんの体験談が聞けるとあって、会場となったミュージックサロンは満員。土井さんが「ボランティア」に興味を持ったきっかけから、「エリトリア」という国との出会い、エリトリアでの体験と日本に帰るまでの経緯、そして土井さんの「エリトリア観」など、幅広いものとなった。
  同時に、ケニアの難民キャンプや、そこで働いていた同級生の話を紹介。彼は残念ながら事故で亡くなってしまったそうだが、その生き方は土井さん自身の支えにもなっていたという。講座の最後には、今まで「水案パートナー」として、土井さんの講座を一緒につくってきた若き参加者が「パネラー」となって自分の悩みや質問を投げかけ、土井さんがそれに答える形になった。ここでは、その中のいくつかを紹介する。
◆困っている人の為に何かをしたいという気持ちを、『偽善』だという人もいます。それももっともだと思う気持ちもあって…。(勝田聡美さん・20歳)
土井:「確かにボランティア活動を『偽善』だと非難する人もいます。そのような意見の中には議論すべき問題もありますが、そうでない意見もあります。なので、自分で正しく判断し、聞かなくてもよい意見は切り捨てた方がいいです。断固とした決意の元に行動が伴っていれば、それは『偽善』ではないと思います。」

◆自分が何をやりたいのか、また、それをどう探したらいいのかわかりません。良いアドバイスはありますか?(小林亜衣さん・21歳)
土井:「とにかく『行動すること』ですよね。ピースボートに参加したことも、行動の一つだと思うんです。たくさんの人と出会う事は大切ですよね。しかし、もっともっと大切なのは『社会とのパイプ』を持つことです。実際にいろんな国に行って、いろんな社会を見てほしい。その中で常に、自分がどう社会と、その中に住む人と接していくかを考えながら生きていけば、自分がしなければいけないことが見えてくるのではないのでしょうか。」
(関口裕美)
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