9月13日 地球大学ゼミユニット1 |
シンガポール出港後、本格的に始まった地球大学。今クルーズの地球大学では、「国境を越える人びと」と題して、「移民・難民問題」に取り組む。初めてのゼミとなる今回は、フィリピンで日比混血児とその母親の、経済的・精神的自立をめざして様々な活動に取り組むNGO「DAWN」代表カルメリータ・ヌキさんに、「なぜ、フィリピンの女性たちが日本を目指すのか」ということをテーマにお話しいただいた。そのあと、グループに分かれてディスカッションがあり、活発な意見交換がなされたが、ここではカルメリータさんのお話から一部を紹介する。
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「現在、フィリピンでは総人口の1割にあたる約800万人が海外に職を求めてわたります。海外に行ってしまうという最大の原因は、経済状況が不安定な中で、国内での職がなかなか見つからないということが挙げられます。また、多くのフィリピン人女性は『興行ビザ』をとって日本にやってきます。それは例えば歌手であったり。ダンサーであったりという職業です。しかし実際には、ホステスであったり、時には性的な行為、例えば「売春」などを強いられる職業だったというケースが多いのです。
ここで問題なのは、彼女たちは非常に『弱い立場』に立たされているということ。給料が支払われない、暴行や搾取の対象になっているということです。フィリピン政府は1997年、興行ビザの発給年齢を23歳にすると定めたのですが、2001年になって再び18歳に下げました。これは、フィリピン政府自体が海外に働きに出かける人たちをあてにし、自国の就職状況を改善しないという現れでもあります。また日本政府も、そんな状況を知りつつ黙認しています。これでは、日比混血児をはじめとする様々な問題はますます「悪化する」一方です。私が主張したいのは、日本政府は、日本に出稼ぎに来るフィリピン人女性たちに対して、もっと人道的に接していただきたいということです」。
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