▼日本から見た台湾、台湾から見た日本 /郭煥圭 (東京国際大学教授)▼
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現在、東京国際大学で教鞭をとるクォー・ファンケイ(郭煥圭)さんは、1933年に台湾に生まれ。日本統治下、そして戦後の国民党統治下での教育をともに経験したという。「台湾講座第2弾」となった今回の講座では、台湾と日本、それぞれの人がそれぞれの国をどんなふうに見ているのかについて語ってもらった。 |
「日本の統治も国民党の統治も、台湾の人々から搾取していたという意味では構造的には同じですが、国民党時代の記憶の方が生々しいがために、台湾には親日的な人が多いのです。そしてまた同時に、台湾の独立に対する日本の援助を漠然と期待する風潮もあります。しかし、日本の台湾政策は、「アメリカの台湾政策の時差版」と考えた方が現実的です。台湾人は日本を頼らず自力で独立を為し遂げて欲しい、というのが私の希望です。」
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▼メディアから世界が見える/河辺一郎(国連研究家)▼ |
国連研究家の河辺一郎さんによる2回目の講座「メディアから世界が見える」。かつて行われた、「先進国」以外から情報を発信しようという試みについて、そして日本のメディアの状況について。「メディア」という切り口からみた世界情勢について解説していただいた。 |
「1970年代には、いわゆる『発展途上国』から情報を発信しようという試みが行われました。例えば、ユーゴスラビアの通信社を中心として、数十か国でニュースを集めて発信しようというグループが結成されたのです。しかし、これは米国のレーガン政権に敵視されたことや、ビデオカメラ、衛星放送等の普及により時代遅れとなったことにより、衰退していくこととなったのですが・・・。現在も、ニュースは特定の国の情報機関を通じて流されており、その情報は決して平等ではありません。
日本では、1970年代頃からサンケイ新聞が政府への接近を強めました。また80年代からは、読売新聞が同様の姿勢をとるようになっています。さらに最近では、教科書問題や改憲論義のように、報道機関が政治問題を作り出し、推進するという事態も起きています。日本の報道には、さまざまな形で『ねじれ』が存在するといえるでしょう」
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