船内トピックス(1)
 南米大陸に向かって船内にラテンムードが高まる中、日々レベルアップしていくスペイン講座。
 スペイン語を勉強する中では“一番苦労する”という、舌を噛みそうに長い数の表現も、ゼロから1000までクリア。買い物で「ちょっと高いです。まけて!」と頼んだり、「郵便局はどこですか?」と道を尋ねたり、寄港地で使えそうなフレーズが次々登場。
 船の上で缶けりしたい!…と企画されたのが、缶けりならぬ「ピグケリ」。
 企画者が「ピグモン」というあだ名だから、ということでの命名だが、ルールはもちろん普通の缶けり。デッキ中を使って、真剣に走ったりかくれたり…。船のデッキには意外にかくれる場所がなく、すぐみつかってしまう。みんな、子どもの頃に帰って、思いっきり楽しんでいたよう。
 シンプルな作りだが、叩く場所や角度、強さなどによって自由自在に様々な音を生み出すことが出来るアフリカの伝統的打楽器、ジャンべ。
 ケニアや南アフリカ、ブラジルなどで買ったジャンべを叩けるようになりたい!という人たちが集まって、毎日デッキで行われている「ジャンべ遊戯」。
 言い出しっぺの企画者は、船内で結成されたバンドのドラマー。その「指導」も受けながら、青空の下、思い思いにアフリカのリズムを楽しむ。
 ブエノスアイレスを出発して3日。「世界最南端の町」ウシュアイアを目指して航海するオリビア号を、大きな虹が迎えてくれた。
 南半球は真夏とはいえ、すでに南緯45°を越え、外は身にしみるような寒さ。そんな中デッキに出ていた参加者たちは、ほんの数分間だけ現れた、「世界の最果て」への巨大な入り口のような光景にしばし見入っていた。
 まるで水平線から立ち上るかのような虹。今にも船がそこをのぼっていきそうだ。幻想的で、心躍る光景。
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