タヒチアンの挑戦
1842年フランスの保護下に入ったタヒチ。1960年代からはじまった核実験は、世界からの非難の声をあびたが、フランスがタヒチに与えた影響はそれだけにとどまらない。フランス領になることで崩されたタヒチ特有の生活様式や文化を守ろうと、先住民族マオヒの自立をめざして活動するNGO「ヒティ・タウ」の事務所を訪問。ワークショップやホームステイを通して伝統的なタヒチの生活に触れることができた。
船を下りるとすぐに歓迎の儀式。待ち構えていてくれた現地の人たちに、「アルエ」という植物の葉をプレゼントしてもらう。心温まるおもてなしに、思わず涙する人も…。
「ヒティ・タウ」の事務所に着くと、しぼりたてのココナッツジュースとお昼ご飯が用意してあった。
マヒマヒという魚のサラダ、タロイモ、そして、何種類もの色鮮やかなフルーツをご馳走になった。
昼食後、「ヒティ・タウ」の代表、ガブリエルさんのお話を伺った。「フランスの核実験は、珊瑚礁などの自然環境、実験場で働く労働者の健康だけでなく、私たちの気持ちまでをも汚染した」という。
「自分たちの将来は自分たちで決めたい」と、自立・独立を目指して「ヒティ・タウ」を立ち上げた理由などを話してくれた。
夜はキャンプファイヤー。タヒチアンダンスを見せてもらい、ピースボート側からも南京玉すだれや南中ソーランなどの出し物を披露。その場で買ったパレオを巻き、タヒチアンダンスを教えてもらっている人も。
夕食のあとは、数名ずつに分かれてのホームステイ。
夜まで話し込んだという人、地元料理の朝食でもてなしてもらったという人、おみやげとして貝のネックレスをもらった人…それぞれにホームステイを楽しんだ。
翌日の午前中は、「ヒティ・タウ」が、人々の経済的自立のために生産を進めている、モノイオイルの作り方などを見学するワークショップに参加。
化粧水、パフュームオイルなど様々な利用ができるオイルは島の人たちにとって貴重な収入源だ。原料となるココナッツの皮をむくところから一ヶ月後の完成品まで、全ての過程を見せてくれた。
午後は畑に出てタロイモ植え体験。私たちが植えたタロイモは、次にピースボート参加者がここを訪れる時の食事になるとか。一人ひとりが自分の手で苗を切り、地面に掘られた穴にそれを植えていく。
最後はみんなで記念撮影。参加者からは2日間を振り返り、「言葉による説明よりも、実際に経験を通して感じることの素晴らしさを実感!」とのコメント。
(関、戸塚、村上)
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