初の黒人ワイナリー訪問
アパルトヘイト廃止後の南アフリカで、初めて黒人たちが自分たちの手でワインを作りはじめたというワイナリー、「ネルソンズクリーク」を訪問した。白人オーナーのアラン・ネルソン氏が、「国内一のワインを作ることができたら」という約束を果たし、1997年に土地の一部を16人の黒人労働者に寄贈したのが、南ア初の「黒人ワイナリー」のはじまり。1998年には、黒人たちが作り出したワイン「ニュービギニングス」の輸出を開始、現在ではオランダ・アメリカ・日本などに輸出されているという。ワインをたっぷり味わいながら、ここに至るまでのさまざまなできごとについて話を聞いた。
ネルソンズクリークの"クリーク"は農園に流れている小さな小川のこと。ここで生産されるワインのラベルや、ワイナリーのパンフレットなどのシンボルマークになっている。
ぶどう農園の見学では、食用のぶどうを食べさせてもらう。
ぶどうの旬は始まったばかりで、熟したぶどうをブロックごとにかりとっていく。
ワイン貯蔵室を見学。ここには、それぞれ「エンジンルーム」「レディースルーム」と呼ばれる部屋がある。「エンジンルーム」はワインを速く発酵させる部屋。いっぽうレディースルームは、女性がゆっくり身支度をととのえることから名前をつけたそうで、時間をかけて発酵させている部屋。
ワインを貯蔵する樽は、世界中から輸入されてきた木材から作られる。南アフリカ産の木材は、ワインの貯蔵に向かないそうだ。今は輸入木材も高くなってきているので、アルミの樽を使い、木のチップを中に入れて香りだけをつけているものもあるという。
5種類のワインをテイスティングさせてもらった。ゆったりとした時間と、南アフリカのワインを堪能した1日だった。
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