9月29日 ▼米国テロ事件&最新動向&ディスカッション▼
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ニューヨークの同時多発テロ事件と、それに対してのブッシュ米大統領の「報復」発言を受け、船内では有志が声明「私たちは新しい戦争に反対します」を発表しました。その際に上がった「今後も意見交換をして互いに認識を高めてゆこう」の声に応え、本日は「アメリカの報復攻撃はなぜ問題なのか」、そして「日本の自衛隊派遣についてどう思うか」についてディスカッションが行われました。
はじめに最新動向として、日本でのピースボートの活動やアメリカ国内で上がっている報復に反対する声を紹介。さらに、3名のゲストそれぞれから報復攻撃に対する考えを述べてもらいました。今後もテロ事件に関する問題への理解を深めるため、ディスカッションを続けてゆく予定です。
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神戸俊平(ケニア在住・獣医)
「テロ行為を許すことはできない。しかし、この事件に関してはアメリカではなく、ニュートラルな機関がジャッジをすべきだと思う。例えば、オサマリン・ラビンがアメリカに引き渡されたとしても、第2、第3のラビンが出てくることになるでしょう。アメリカの報復には反対です。日本があやふやな態度で急遽法律を変え、現在アメリカと軍事行動を共にしていることにも断固反対。」 |
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ステーシー(アメリカ出身・ピースボートスタッフ)
「アメリカ国内の80〜90%の人々が戦争を支持していると伝えられているために、多大な軍事予算が割り当てられ、そして我々国民の自由が束縛されています。しかし政府の行おうとしている軍事的行動とは何なのかを、一体どれだけの人が理解しているのでしょうか。メディアによって『これは正しい、これが唯一の方法』だと思わされているのかもしれません。
ある中東の外交官が『もしアメリカが、ビンラディン、もしくはこのテロ事件の真の首謀者を捕まえられなかったら、その首謀者は大変強力な存在になるだろう』といっています。また、たとえ核となる人物を潰しても、残ったその他が強力な力を持つのではないでしょうか。アメリカは巨大な力で全てを破壊するといっているが、そうする事こそテロを起こした勢力の思うがままなのかもしれません。
そして、そうした行為は正義の行動ではなく、自らの利益のための行動という、ここ何十年もの間アメリカが行ってきた間違いを再び繰り返す結果となってしまうのです。法的なアプローチをするには長い時間と困難が予想されますが、それのみが唯一の解決策なのではないでしょうか。
法的な、そして正義に基づいた解決へ向けた策として挙げられている提案の1つが、アメリカの元大統領を国際司法裁判所などに出向させること。そうすることで、世界各国が初めてアメリカが報復を求めているのではなく、正義を求めているのだと納得するかもしれません。国民が経済や自分の仕事のみでなく、政府の外交政策にも興味を持つこと、それが民主主義の中で生活する人々の責任だと思います。」 |
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ピライ・サンダラーン(インド出身・IRTCスタッフ)
「私も二人と同様な意見を持っています。今回の事件をきっかけとして、テロに反対する意見をまとめる理想的な時期に来ているのではないでしょうか。
もしアメリカがそれを主導することができれば、それが世界が一番必要としていることだと思います。
世界的な意見を強化することで、テロ行為に反対するという意見を国連などの国際的な組織のものとすることもできるでしょう。国連の力は現在、少しずつ弱くなっている。今この時こそが、国連の立場を再び強力にする良い機会なのかもしれません。」 |
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ディスカッション参加者の声(一部)
「確実に分かっているのは、誰があの事件を起こしたのか誰にも分からないということです。世界中の人がアフガニスタンに焦点を絞っているようですが、非常に不公平な見方だと思います。もしアメリカが報復攻撃に出た場合、それは非常に無作為で手当たり次第なものになってしまいます。それは許せることではありません。」
「現在アメリカ艦隊と共に日本が行動しているということですが、小泉政権を支えてきた日本国民は、もしアメリカがアラブ諸国を攻撃してアラブ諸国と敵対関係となった場合、敵と見なされるわけですよね。日本の行動は、自衛のための行動とはいえない、国際関係にも深刻な影響を及ぼすものですよね。」
「報復には反対です。私はステーシーよりももっとアメリカの軍事的な動きを感じられる自負があります。私の故郷の沖縄の周辺では今頃軍事訓練が行われているはずです。自衛隊が人道的支援するしないに関係なく、米軍基地が日本にある時点で日本はアメリカ側にくっついているわけですね。報復が行われた場合、軍事基地がある沖縄の米軍基地は最も狙われやすい存在のはずです。ですから、これは他人事ではなく報復は避けるべきだと思います。」
「私の気持ちの中には大きな部分と小さな部分があります。報復のための報復は絶対に解決にはならないという大きな部分と、人間の本能としてアメリカがどのように武力行使し、証拠を収集して犯人を捕まえるのかという興味が小さな部分として気持ちの中に存在しています。」
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