<私たちは、新しい戦争に反対します!>
私たちは、2001年9月11日、米国での同時多発テロによって犠牲となった全ての人々に哀悼の意を表します。また、犠牲となった人々のご家族、友人の皆さんに心からお悔やみを申し上げます。そして、私たちピースボートは同じ世界に暮らす市民として被害者とその関係者の人々へのできうる限りの支援を行うことを誓うとともに、国際社会の暖かい人道支援を求めます。
私たちは、米国への同時多発テロを許しません。私たちは、国連が主体となって、このテロ行為に責任のある者たちを探し出し、民主的な手続きにおいて公正に裁くことを求めます。
同時に、私たちは米国政府および日本政府を含むその同盟国政府の報復攻撃に反対します。米国での同時多発テロは、明らかに犯罪であり、犯罪は暴力によってではなく法によって裁かれるべきものだからです。このテロを「新しい戦争」と定義し、報復攻撃をすることは、同様のテロを際限なく繰り返させる引き金を引くことになります。
<テロのない世界を築きます!>
私たちは、何の罪もない市民の当たり前の幸せを一瞬にして奪い去るテロ行為を憎みます。だからこそ、このテロを地球社会から根絶するために、今こそ、テロ行為が生み出される原因を追及し、テロのない世界とはいかなる世界なのかを想像し、具体化しなければなりません。そして、その世界を実現するために、私たち市民は、NGOは、国際社会は行動を始める必要があります。もちろん非暴力の行動です。そして、そのテロのない世界を築くための行動こそがニューヨークで、そしてワシントンDCで亡くなった人々の命に報いる唯一の方法であると信じます。
<三項目のアピール>
私たちは、米国の報復攻撃の中止を求めるとともに、テロのない世界を築くために世界の市民、NGO、各国政府、国連のそれぞれが以下の目的を実現するため、最大限の努力をすることを呼びかけます。
1,国連中心に各国協力による米国同時多発テロ実行犯の捜査及び逮捕と民主的な裁判による審判
2,米国政府及びその同盟国政府の報復攻撃、いわゆる「新しい戦争」の回避
3,テロによる犠牲者、難民、戦争避難民など紛争によるあらゆる犠牲者対する十分な人道的援助と
人権の確実な保護
ピースボートは
1983年の設立以来、世界60カ国以上を巡り、平和を創るための直接交流を各地で行ってきました。その活動を通じて、今の世界が抱える矛盾や不正義や不公平を目の当たりにしてきました。それは、まさに人間の生存と尊厳に関わる重大な問題の連鎖でした。
そして、世界中の多くの人々に苦しみと悲しみと怒りを強制し続けている、この人間の生存と尊厳に関わる問題の解決なしにテロのない世界をつくることは不可能だと考えます。
2001年9月24日
第35回ピースボート乗船者有志 |