9月21日
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ISオフィシャルプログラム
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イスラエル・パレスチナ、旧ユーゴなど、世界の「紛争地」出身の若者たちに乗船してもらい、互いの意見をたたかわせあったり、寄港地で他の戦争や紛争、民族対立の様子を知ることで、自らの体験を見つめなおしてもらおうという「国際奨学生(International Student)」プログラム。
東京から乗船していた3名に加え、シンガポールから新たに3名が乗船。正式なプログラム始動となったこの日の企画では、IS6名の自己紹介に続き、会場からさまざまな質問を受け、ISのメンバーに答えてもらうという形になった。
IS紹介
オフィール・フュールスタイン(イスラエル出身)/リナ・R・ザラティモ(パレスチナ出身)
マーティン・ペトコフスキ(マケドニア出身)/ディアン・スタンコビッチ(セルビア出身)
レイラ・バイラモヴィッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ出身)/ベルタン・スリム(マケドニア出身)
Q.平和をもたらすために何が必要だと思うか?
リナ:
お互いに信頼しあえれば平和を築くことができると思う。ただ、互いにチャンスを与えなければならない。
レイラ:
互いの違いに『橋』を架けなくてはならない。だがらこそ、私の国の若者たちは違いについて学び、そして尊重することを学びたいと思っている。
ベルタン:
私たちの前の世代は平和を掴むチャンスがあったのにできなかったのだと思う。今度は私たちの番。それを達成するには笑い、楽しみ、違いを持った人々と交流することが必要だと思っている。
マーティン:
各人がそれぞれに紛争、問題を抱えている。だからこそ、平和とはまず自分の中で養い、それをみなに広げようと努力することが大切。
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キはヤマヒから/大沢則夫(鍼灸師)
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「世界の平和は自分自身のカラダの平和づくりから」をモットーに、東洋医学を基にした鍼灸師の養成指導をおこなう大沢則夫さんに、「自分のカラダの管理は自分でする」を最終目標に、太極拳の実践も交えながら楽しい講座をおこなっていただきました。
「カラダや心の具合が悪くなった瞬間が一つの始まりです。痛みが出てくるということは、自分がどれだけ頑張っていたか、無理をしていたかを気づくチャンス。人はこのチャンスで変わっていけばいいのです。お釈迦様の言葉に『四苦八苦』という言葉があります。この八つの苦しみのうち一番苦しいのが『求不得苦』。つまり、求めるものが手に入らない時の苦しみが一番苦しいのです。だからこそケモノの発想で、あるがままにしっかりと生きていけばいい。健康になりたいなら御飯をよく噛み、楽しく食べること。そして毎朝6時からの太極拳に参加することも重要ですね(笑)。」
(北口)
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インドなんでもQ&A
/M・Kプラサッド&P・Kラビンドラン(インドNGO・KSSPスタッフ)
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次の寄港地コーチンは、インド南部ケーララ州に属する。そのケーララ州を知る上で注目すべきは、州面積あたりの診療所数がインドの中で最も多く、また幼児死亡率は日本並みに低く、そして識字率がほぼ100%という点。事前にその土地に関する知識があれば、現地を訪れた際に感じることが多いはず。インドに対するいくつか疑問・質問を、事前に行ったアンケートを元に、シンガポールから乗船していただいたケーララ州出身の元KSSP(NGO)スタッフのプラサッドさんとラビンドランさんに直接ぶつけてみました。
Q:カースト制度の生活・教育・政治などへの影響
A:
「教育への影響はありません。政治への影響については、及ぼしていないことになっていますが、実際には選挙の時に大きな役割を果たしているのが現状です。識字率が高まった事によって、カースト制度は目に見える世界からは消えましたが、人の心の中にはとどまっている状態だといえるでしょう」
Q:食事の際の右手の使用について
A:
「大多数が右利きなので、自然に何かをする時は右で行うことが多いです。また、右手は縁起が良いとされ、常にきれいな状態を保っているので、食事も右手で食べることになるのです。なぜ直接手で食べるのか?といわれますが、私たち人間にはこんな素敵な手があるのに、わざわざ箸を使うことの方が疑問です。逆に、日本人がナゼ箸を使うのかリサーチしてみてはどうでしょう。」
(澤田)
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