11月30日 ▼太平洋への招待2〜メラネシア多民族国家の苦悩〜
/野平晋作(ピースボートスタッフ)▼
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「南太平洋の美しい島々に住む人々の、素朴でやさしい笑顔の陰には悲しい歴史が隠されているのです」――島の豊かな資源をもとめた大国によって、植民地支配を受けたり、故郷を追われて強制的にほかの島に移住させられたりといった、多くの苦難を体験してきた南太平洋の人々。ピースボートスタッフ野平晋作が、メラネシアの多民族国家、フィジーが抱える問題を取り上げ、「楽園」のもう一つの顔を紹介した。 |
「フィジーに住んでいるソロモン人たちは、1864年、フィジー開拓のためにイギリスによって強制的に連れてこられた人々の子孫にあたります。
ところが、ソロモン人の若い世代は、なぜフィジーに自分たちソロモン人がたくさん住んでいるのか、その歴史を知りません。知らないままに、さまざまな面においてフィジアンからも差別を受けているのです。そうした状況を変えていくためにはまず、自分たちがなぜフィジーにいるのかを知り、フィジーの人々にもそれを知らせる必要があります。
例えば日本の中で在日の人々が自分たちのアイディンティティを取り戻そうとするときにも、なぜ日本に多くの朝鮮、韓国人がいるのか、歴史をしっかり学ぶところから始めようとする人たちがたくさんいます。そうすることで自らの誇りを取り戻せるとともに、日本人も正しい歴史的事実を知れば差別しないようになるはずだ、と考えるからです。このように、同じような問題を抱える南太平洋の人々と私たちは、共に現状を変えるためにできることがあるのではないかと思うのです。」
(石橋)
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