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南インドのNGO体験
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「持続可能な農業」の実現と農村部の開発、環境・農業技術の研究、さらには農村部の女性や若者達への教育・職業訓練を目的に1988年に設立されたNGO「M.Sスワミナサン研究財団(MSSRF)」。5泊6日の日程で、MSSRFの研究所や、実際に自然資源を守り生かす農業を進める「バイオビレッジ」などを訪問した。
インドに暮らす人々と交流し、実際に農作業を体験することで、NGOの役割、そして21世紀の持続可能な開発の形と可能性を見た。
到着したとたん、数十人の村人に囲まれて、熱烈な歓迎を受けた。村の女性たちが、女性参加者の髪に花をつけてくれる。そして、全員の額にはビンドゥーが。
交流会ではいくつかの村それぞれの女性グループより数種類のダンスと歌が披露され、お返しにとこちらから披露したのが「炭坑節」と「上を向いて歩こう」。女性の参加者3名が浴衣に着替え、男性の現地インド人ガイドさんにも浴衣を着てもらい、村人を巻き込んでみんなで何度も炭坑節を踊った。
バイオビレッジの水田で田植え体験。米作りは「MSSRF」の数あるプロジェクトの中でも主要なものの1つ。
一時は日本式にロープを張り、碁盤の目のような正確な田植え手法が採られていたが、インドにおいては非効率的との判断から、現在は人が歩ける通路を残し、ある程度自由に植える方法で行なわれている。参加者は足がずぶずぶと埋まりつつも、村の女性に教えてもらいながら田植えを楽しんだ。
持続可能な農業を目指す「MSSRF」は、環境に悪影響を与える化学肥料の使用を止め、ミミズを使った無化学肥料作りを行なっている。
1メートルの深さの穴にレンガと土砂を入れ、そこにミミズを埋め込む。さらに牛糞を入れワラをかぶせて30日間水をかけつづける。31日目以降からは生ごみを入れ始め、繁殖したミミズに分解させることでどんどん肥料が作られていくという。
(泉)
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