タヒチアンの挑戦
フランスの経済援助に頼らない、持続可能な発展とともに、自分たちの文化を見直すことを目的として活動するタヒチアンたちのNGO「ヒティ・タウ(今、立ち上がるとき)」の事務所や農園を訪問。ワークショップを通して、その活動について学びました。
また、フランスがこの近海で行った核実験による被曝者との交流も。ホームステイ先では伝統な踊りを見せてもらったり、家庭料理をごちそうになったり。観光で訪れるのとはひと味もふた味も違う、タヒチの姿を垣間見ることができた。
フランス政府の運営する「核エネルギーセンター」で20年間勤務したタマトワさんのお話を伺った。
「当時、子供は家族の為に働くという考え方があり、私も16歳から働き始めました。つまり、その頃から私の体は核に汚染され続けていたのです。現在でもわたしたち労働者の診断書は公開されていません」。
生々しい体験談に参加者はじっと耳を傾けた。
ヒティ・タウの事務所の庭で火を囲んでの交流会。若者達が「ハカ(行動する)」と呼ばれるタヒチアン・ダンス、迫力満点のファイヤーダンスなど、伝統舞踊を披露してくれた。
お返しにこちらからは、沖縄舞踊「エイサー」、アイヌ舞踊「バッタの踊り」、歌などを披露。また、核のない平和な世界を願って全員でメッセージを書きこんだ灯籠を、ヒティ・タウの若者達に送った。
フランスからの経済援助なしで暮らしてゆけるように、そして先住民族マオヒとしてのアイデンティティを取り戻す為に、バニラやモノイといった伝統的な商品作物の栽培が行われている。
写真はバニラの受粉作業を体験する姿。ベテランともなると受粉成功率は100%ということですが、果たしてこの花は無事実をつけてくれるでしょうか?
(村松)
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