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先住民族マオヒの村を訪ねて
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「マタ・アラ」はマオヒ(タヒチの先住民族)の人々の主権回復に務めるNGOネットワーク。マオヒに古くから伝わる文化伝統を守ってゆくとともに、土地の権利を取り戻すための活動を続けています。このコースでは、彼らが聖地として崇める地を訪れ、伝統儀式に参加することで彼らにとっての「土地」が持つ意味を知るとともに、タヒチアンによって結成されている政党タビーニのメンバーから、フランスからの独立を求める彼らの政治活動について話を伺いました。
反核・独立を訴える自治体として知られるファアア市の市庁舎を訪れ、タヒチアンによって結成された野党、タビーニ党の市会議員マルチさんからタヒチの独立運動についてお話を伺った。
「タヒチは事実上、政治的にフランスの支配下に置かれています。独立を招く恐れがある決議はフランス本国の議会で否決されてしまいます。そして彼らは、『タヒチが独立すれば、東ティモールのように内戦状態になる』と、独立は必ずしも成功しないと脅しをかけているのです。
また、独立を阻む社会システムとなってしまっているのは、外国人が簡単に市民権を得られること。特に近年はEU圏からの移住者が増え、タヒチ全体の人口に対するタヒチアンの割合が減る傾向にあります。移住してきた人たちは私たちの独立を支持するわけではありませんから、それは結果として独立の妨げになってしまうのです。」
NGO「マタ・アラ」の人々の案内で、島の山間部にあるムハタ谷の「マラエ」を訪れた。石を積んで作る祭壇「マラエ」は個人それぞれの象徴であり、その人が土地を移る際は同じく石も移動させ、移住先で再びマラエに積み直すという。このように、タヒチでは宗教と土地が深い結びつきを持っている。
しかし、フランス政府はタヒチを植民地した後、住民にキリスト教への改宗を強要。祭壇を破壊し、伝統的な儀式も禁止した。そうして、タヒチアンの文化は破壊されていったのだ。
Tehiva rere hata(雲の中を飛んでいる部族という意)と呼ばれるコミュニティの人たちが集まる中、私たちも伝統儀式に参加することに。
まずはマラエに果物や魚を供え、山や海の神に対して感謝の祈りを捧げる。そして、人々との友好の印として草紐をマラエに納めた。この草紐は我々の航海の安全を祈るもので、航海に問題が無いよう毎日祈りを捧げてくれるとの事。
儀式の後は、伝統料理に舌鼓を打ち、陽気な曲に合わせて踊ったり歌ったり。ピースボートからは南京玉すだれと盆踊りを披露し、親睦を深めた。
(見市)
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