12月6日
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神から授かった贈り物?モルロアの核実験
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ガブリエル・テティアラヒ(HITI TAU代表)
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今なおフランスの植民地支配を受ける南国の美しい島、タヒチ。この地で反核運動と共に、人々が自立した生活を営むための様々な教育を行うNGO『HITI TAU』の代表を務めるガブリエル・テティアラヒさんによる講座。幼少時代にフランスの核実験の様子を目の当たりにしたという体験から、現在の活動に至るまでをお話ししていただいた。
「1970年の核実験のとき、小学生だった私は、フランス軍に連れて行かれた高い塔の上で、爆発の瞬間のキノコ雲を見せられました。そしてまた、『核はタヒチに平和をもたらし、雇用をもたらす。神から授かった贈り物なのだ』とも教えられました。
のちに自分の見たキノコ雲が核実験によるものであり、それが『神からの贈り物』でもなんでもないと知った私は、1975年から、一人で反核を訴えるデモ活動を始めました。
97年には、核実験場で働いていた労働者たちの声を集めてまとめたこともあります。そして来年1月には、ポリネシアのNGO、アルジェリアの被爆者組織、被爆経験を持つフランス退役軍人組織の、それぞれ代表者がフランス上院議会に出席することになっています。そこで私たちは、フランス政府が核実験に対して政治的な責任をとること、全ての犠牲者達に補償が行われることを要求しようと考えています。その場で『HITI TAU』はリーダー的存在として、3つの団体のネットワーク作りを行うつもりです。
ここに至るまでに、32年もの月日がかかったのです。それは決して楽なものではありませんでした。核実験に反対する活動家、または平和に携わる活動家は、ときに人生の全てをその活動に捧げなくてはなりません。平和な世界を築くためには、それほどの努力が必要になるのです。」
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地球の温暖化PART1〜しくみとその影響〜
/中島正明(地球の友ジャパン)
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現在、地球温暖化の影響により最も早く海に沈んでしまうと危惧されているマーシャル 諸島。その地を訪れるエコツアーなどを通じて、多くの人に地球温暖化問題への関心をもってもらい、その対策を考えていこうと広く呼びかけている環境NGO『地球の友・ジャパン』の中島明さんに、温暖化のしくみとその影響についてお話ししていただきました。
「マーシャル諸島共和国は、地球温暖化による気候変動や海面上昇に非常に脆弱な環境で、島のつくりや生活形態を考えると、海面が1m上昇しただけでも、人々は島に住むことができなくなると言われています。
ところが、実はこれらの島々はほとんど温室効果ガスを排出していないのです。つまり、最も温室効果ガスを排出していない国が地球温暖化によって国を失う可能性が高いということなのです。
このような温暖化による被害を防ぐために制定されたのが京都議定書です。これは、温暖化防止策として決して十分なものではありません。なぜなら大国と呼ばれる、二酸化炭素排出量の多い国々が、その排出量を抜減らさないで済むような抜け道はいくらでもあるからです。
しかし、この京都議定書を地球温暖化防止の第一歩と捉えて取り組んでいかなければなりません。それには日本の京都議定書批准が必要不可欠であり、私達がもっと地球の温暖化について考えていかなければならないのです。」
(北口)
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