3月29・30日 ▼パイネ・デ・山登り
「今日のパイネの天気は、たぶん悪いでしょう」とは、ガイドさんの最初の挨拶。悪いご冗談をと、笑った参加者達でしたが…。
パイネの山々は、標高はそれほどでもないが、とても険しく、時には風速100mを超えるという強風、さらには変化しやすい天候など厳しい条件が重なる。優雅な景色からは想像できない「地球のありのままの姿」を体験することになりました。
バスで約5時間の移動の後、国立公園に入ると、目に前に広がったのは翡翠色の湖と万年雪をいただく青く美しい山々。目指すは、切り立った「3本の柱」という意味をもつトーレス・デル・パイネ。
「ブルー1色」の世界に、高まる期待を押さえきれない参加者たち。
遅めのランチの後、今日はまずノルデンスクロ湖まで約4時間のトレッキングで足慣らし。子供の頃の遠足気分で、揺れる吊り橋やぬかるみに「キャーキャー!!」と大騒ぎ。
澄んだ青い湖を想像していた参加者達。「きっと曇っているからだよ」と慰め合う…。けれど、湖の北側に連なるグランド・パイネの姿は圧巻。
2日目。出発したのは朝の5時45分。見上げると空には南十字星が輝いていた。山道を登りながら気になるのは、やはり日の出の瞬間。
だんだんと空が、そして山が赤く燃えだした。
日が昇り始め、これからどんどん暑くなるのかと思いきや、峠を越えると景色はいっぺん。切り立った険しい岩山がそびえ立ち、谷間からは「ゴォーゴォー」とものすごい強風。一気に体が冷えてくる。強風にあおられながら、「バランスを崩したら崖下に真っ逆さま」そんな細い道をゆっくり、ゆっくり進んでいく。
休憩ポイントの山小屋から、ポツリポツリと雨が降ってきた。ここからは、ゴロゴロと大きな岩山をよじ登っていく。岩にしがみついてないと吹き飛ばされてしまう程の突風、そして冷たい雨は、いつからか細かい氷へと変わっていた。
ずぶぬれになり、寒さに震えながらの登頂!!そしてその先に見たものは…。「おいっ、これのどこが氷河じゃぁー」なんて声を上げる参加者の姿もあったけど、でも、ここがパイネだってことを忘れちゃいませんか。トレッカー憧れの地なら、冷たく濡れたサンドイッチを食べるのも一生の経験ではありませんか。ね?
(志村・真家)
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