3月9・10日
▼
ナミブ沙漠でキャンプ
▼
「砂漠でキャンプ」そんな物語になりそうなシチュエーションを実現してくれたのがこのコース。「生きている砂漠」「命の砂漠」と呼ばれるナミブ砂漠で、岩山を駆け上り、砂丘で転げ回り、思いっきり笑って全身で地球に体当たり。そのあまりにおっきな大地の包容力に飲み込まれてしまいそう、そんな感覚を味わった2日間でした。
「うわぁー!!」。月の砂漠を思い描いていたみんなの目の前に現れたのは、イメージとずいぶん違う果てしなく続く荒野。でも、その圧倒的なスケールには誰もが息を呑んだ。「地球にいるとは思えないね」、まさに他の惑星に降り立ったような気分。地球よりももっと大きい、それこそ宇宙を感じさせる大自然に興奮しきり。
切り立った巨大な岩山の前でキャンピング。荷物を置いたら、さっそく自由行動。「わざわざ持ってきたの?」、「月面でキャッチボールなんて2度と出来ないよ(笑)」
「沈む夕日を見に行こう!」。今こうして登っている岩山、何億年という太古の昔、アフリカ大陸がユーラシアとひとつの大陸だった頃、地殻変動の影響で形成されたものらしい。ゴロゴロした黒い岩は、当時噴火した火山から流れ出た溶岩のあとだとか。
あいにくの曇り空、夕日と星空をあきらめて食事のテーブルに着いたとたん、空がピンクに染まった。みんな一斉に駆けだして目の当たりにしたのが、言葉をなくしてしまうほどに幻想的なこの風景。
紫のテーブルクロスとロウソクの灯りが砂漠の夕べをおしゃれに演出してくれた。岩陰にもライトがセッティングされ、闇夜の中に浮かび上がった様子はまるで映画のワンシーン。目の前で焼かれたステーキがサーブされたとたん、そんなおしゃれな雰囲気も忘れ、とにかくかぶりつきましたけどね。
「卒業証書、東伸二殿。君は『第32回ピースボート地球一周の船旅』参加中に松本中学校を無事卒業されました。乗船者一同、心から祝福いたします。2001年3月9日ピースボート。」
今日この日、遠い日本では彼が通う中学校の卒業式が行われている。出席できなかった彼のためにと、砂漠のど真ん中でみんなが祝ってくれた。「卒業おめでとう!」
2日目はウェルウィツィアドライブで砂漠に生息する珍しい動植物を見て、海岸沿いにある砂丘へ。とにかく果てしなく広がる砂・砂・砂。「うおぉー!」と大声出して駆け出すものの、砂に足を取られて転んでしまう。半ばヤケになって、砂山を滑り降りたり、友達を引きずりおろしたりみんな子供のように大はしゃぎ。
(真家)
ナミビア寄港地レポートインデックスへ
/
32回クルーズレポートトップページへ