3月6・7日
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初の黒人ワイナリー訪問
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近ごろ評判の『新世界ワイン』のなかでも、もっとも高い評価を受けているのが南アフリカのワイン。しかし、人種によって差別されてきた時代の黒人たちは、季節労働者でしかなく、ワイナリーの経営に携わることはできなかった。そして、アパルトヘイト撤廃。このワイン業界にも人種融和の波が押し寄せているという。3年前からピースボートが交流を続けるネルソンズ・クリーク・ワイナリーを訪問した。
ケープタウンの港からバスに揺られること約2時間。ワイン造りが盛んなこの地区に暮らす子供たちの通う学校(保育園から高校まである)を訪れた。緑豊かな山並みに囲まれて、とても静かな環境の中に、その学校はある。額についている青丸は、宿題をやって来た子だけのご褒美だそうです。でも、なんで?
ワイナリーの説明を、共同経営者の一人、ビクターさんから聞く。彼はワインのプロモーションのために来日された経験もあるとか。
「このワイナリーのオーナーは白人のアラン・ネルソン氏ですが、彼は4年前に『国内のワインコンテストで優勝したら、農園の一部を黒人労働者に開放する』と約束して、じっさいにそのとおりになったのです。そして私たち黒人労働者は農業組合を設立して、自分たちの手でワイン作りを始めました。それまでは、土地の所有なども認められず、労働者として使われるだけの存在だった黒人たちにとって、まさに画期的なできごとだったのです。南アで初めて非白人によって生産されたワイン、それが『ニュー・ビギニングス(新しい始まり)』なのです。」
ビクターさんが、「葡萄を食べてみますか」と声を掛けてくれた。喉の渇きを感じていた参加者は、いっせいに味見を。でも、その美味しかったこと。証拠にビクターさんが「ぜんぶ食べないでね!」と冗談半分(ということは本気も半分?)に制止するほどでしたから。
その後には、お昼ごはん。これまた、とっても美味しくて満足。このツアーって、ほんとうに「おいしい」ばかり言っているような気がする。
南アの歴史の1頁とも言える記念的なワイナリーに訪問できただけでもラッキー。さらには、ピースボートが99年に訪れた時に摘んだ葡萄で醸造したワイン(その名もずばりピースボートワイン)をテイスティングして、樽にサインもさせてもらいました。お味は?
気になる方のために、たくさんのボトルを買い込んできましたので、ルーシ号が到着する5月8日以降にピースボート東京事務局にお尋ねくださいな。ちなみに、本ツアー参加者たちは、ホロホロ気分で満面の笑みを浮かべていましたよ。どうも、ごちそうさま。
(志村)
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