12月28日  ▼地球大学ペルー報告会〜ペルーを丸かじり!〜
 地球一周の旅の中で、寄港地での体験や船内でのディスカッションを通じて「平和」を実践的に学ぼうという「地球大学」では、パナマで一時下船し、ペルーに飛行機で入る「オーバーランド・ツアー」のプログラムを実施。これに参加した地球大学生が、「自治スラム」ビジャ・エルサルバドルを中心に、現地での体験を報告した。
「ビジャ・エルサルバドルは、何もなかった砂漠に住み始めた人たちが、自分たちの手でまちづくりを進めていった『奇跡の街』です。いまでは水や電気も供給され、学校やラジオ局なども運営されています。また、食堂を共同運営するなど、住民の健康管理にも力を入れていて、子どもたちに毎日牛乳を配る『一杯のミルクキャンペーンなどのユニークな取り組みもおこなわれています。人口の約75%は28歳以下の若者で、わたしたちには意外だったのですが、日系の住民もいるということでした。」
パレオの旗の下に〜太平洋のきのこ雲〜/ガブリエル・テティアラヒ(ヒティ・タウ代表)
タヒチのNGO『ヒティ・タウ(=今立ちあがる時)』で活動するガブリエル・テティアラヒさんの講座。今回は、タヒチでおこなわれた、フランスによる核実験について、自身の子供の頃の体験や、フランス留学中にどう核実験反対に目覚めたかを語った。
「小学生のとき、軍の車で山の上に連れて行かれ、きのこ雲を見ることを強制されました。そして、核が平和を与え、タヒチに職を与えるありがたい物だと教えられました。何も知らない子供達は、きのこ雲を美しいとさえ思っていました。私は大きくなって、フランスに留学していたときに、初めて広島・長崎の核被害について知りました。それほどタヒチでは核被害についての情報がないのです。『核の植民地主義』ともいうべき状況下で、政治的決定権も持っていない人々が核の被害に遭っているのです。これからの反核運動は、核被害を忘れかけている若者達が眼を開くことが大事です。その方法を皆で考えましょう。」
ユネスコと平和の文化〜あなたでもできるピースジャーナリズム〜/伊藤武彦(和光大学教授)
現在和光大学で教授を務める水先案内人・伊藤武彦さんは、ユネスコ(国連科学教育文化機関)が提唱した「平和宣言」への署名運動などに取り組んできたNGO「平和の文化を築く会」のメンバー。さらに現在、同じくユネスコが取り組む「平和のニュースネットワーク」(CPNN=Culture of Peace News Network)を日本で広げて ゆくため、ホームページ作成などの活動にも取り組んでいる。今回の講座では、ユネスコの理念にはじまり、CPNNとは何か、何を目指すものなのかなどについて語った。
「2000年は、ユネスコの提唱により国連が定めた『平和の文化国際年』でした。CPNN(平和のニュースネットワーク)は、これに向けてユネスコがはじめたプロジェクトのひとつです。さらに、2001年から2010年までの『子供のための平和と非暴力の文化の国際10年』に向けて、日本でもCPNNを広げていこうという取り組みが始まっています。
さて、CPNNとは何か。これは、インターネットを通じて『平和のニュース』を広げるということを目的としています。具体的には、平和と非暴力の文化に関する地域の活動、平和の文化の価値観に沿う本や映画などを紹介することになります。今まで巨大な企業、新聞社が独占してきたニュースを、インターネットを使い、ボラ ンティアで広げることができるのです。これがあなたにもできる『ピースジャーナリズム』です。」
芸術パラダイス73〜障害が障害でなくなるとき〜
魔術的に幅広いフィールドを紹介するカジポンの連続企画。その第73弾となる「芸術パラダイス」では、障害のある人たちの日常生活を追った、3本の秀作ドキュメンタリーを紹介してくれた。
「最初のビデオに出てくる小山内さんは、何十年も『介護されてきた』という体験を持っています。この経験を生かして、『介護されるプロ』と自称し、介護学校で介護される立場に立った教育を実践しています。普通ならマイナスに感じるところを逆転の発想でプラスに転換しているわけです。小山内さんに限らず、このビデオに出てくる人たちは3人ともすごくポジティブに生きていますよね。」
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