12月9日 ここまで来ている環境ホルモン/田中優(市民フォーラム2000)
「いまや、私たちの生活は環境ホルモンに囲まれていると言っても過言ではありません」。環境活動家・田中優さんが、環境ホルモンの問題を、私たちの毎日の生活と関連付けながら解説した。
「環境ホルモンとは生殖ホルモンなどを誤作動させる物質で、特に日本ではダイオキシンが問題となっています。ダイオキシンは、主に塩ビ製品が生ゴミなどと共に燃やされることで環境中に放出されます。それは母乳から子供に引き継がれ、アトピー性皮膚炎を引き起こしたりします。野焼きをなくす、塩ビ製品を買わないなど、消費者の小さな働きかけからダイオキシンを作らせない世界を作ることは可能です。」
どうなるよ?原発/田中優(市民フォーラム2000)
昨年9月、茨城県東海村のウラン加工施設、JCO東海事業所で起きた臨界事故。職員ひとりが死亡するという事態を引き起こしたこの事故は、どのような過程を経て発生したのか。周辺住民を含む人体にどのような影響を与えたのか。田中優さんは、図を使って詳しく解説しながら、原子力発電所そのものの危険性にも言及した。
「1986年に旧ソ連のチェルノブイリで発生した原発事故には、その直前に起きていた地震が大きな影響を与えたといわれています。にも関わらず、『地震国』である日本では、大地震の発生が予測されている地点の真上にまで原発が建設されているのです」 「その危険性に加え、コストが高くつくこと、火加減を調節して電気の供給量を調整することがひじょうに難しいことなどから、諸外国は『脱原発』の方向へと動いています。日本も、太陽光や風力などの可能性も含め、原発に頼らない方法を模索していくべきではないでしょうか。」
映像と音楽の競演〜地球と人類に未来はあるのか〜
/桃井和馬(フォトジャーナリスト)
カメラを片手に、約100ヶ国をまわったフォトジャーナリスト桃井和馬さんが、幻想的な音楽をBGMに180枚のスライドを上映。スライドは、森林伐採などの環境問題、飢餓に苦しむ子供達、核の問題など、世界で起きているさまざまな社会問題をテーマとしている。特に最近環境問題に関心があるという桃井さんは、環境問題の専門家の言葉を引用しながら、こんなことを話してくれた。
「『池に毎日2倍のスピードで成長する水草がある。30日で全て覆い尽くすとすると、池の半分が水草で覆われるのは、果たして何日目か?答えは、29日目。前日までは、水面の半分しか水草に覆われていないと安心していても、翌日には、その全てが水草で覆われてしまう。』これは、地球の環境を端的に表現するときよく使う喩えです。今の地球環境に、あとどのくらいの「猶予」があるのか、ということを示しているわけです。」
「我々は、我々の祖父母によく尋ねます。『今から50年前の戦争をしていた時代は間違っていなかったのか?』と。同様に、今から50年後、『50年前に消費を繰り返し、資源を食い尽くし、環境破壊をしていた時代は間違っていなかったのか?』と、我々の孫に尋ねられないようにしなければいけません。」
映画をつくろう
着々と進行中の企画、「映画をつくろう」。船内で流行語と化している「船マジック」という言葉をテーマに、ただいまラブストーリーを撮影中。出演者二人、会話無しのシンプルな映画ではあるが、以前撮影関係の仕事をしていた参加者を中心に作成していて、本物のドラマさながらのできばえ。上映が楽しみだ。
ミズホとジャズダンス
今日からクリスマスに向けて、ジャズダンスの簡単なエクササイズとウォーキングがおこなわれる。第1回目の今日は、音楽に合わせた柔軟運動や、腹筋を使って姿勢良く歩く練習などがおこなわれた。参加者は10代〜20代の女性、約20名。船内の運動不足を解消したいのはみんな同じ。
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