キューバが生き残る方法/工藤律子(ジャーナリスト)
10年以上キューバの人々の生活を取材しているジャーナリストの工藤律子さんによる講座。キューバ経済の現状と、その将来の展望について語った。
「キューバには配給制度があり、食料や生活必需品が、日本から見たら信じられないような安い価格で支給されていたのですが、ソ連が崩壊し、東欧諸国が民主化されたことによって、それまで社会主義諸国との取引に頼っていた物資が足りなくなってきました。たとえば牛肉などは、今年は2回しか配給されていません。また、配給以外に、国営店などで買い物も出来るのですが、配給同様に品物が足りません。
しかし、主に輸入品を扱い、外国人相手に営業しているドルショップには品物がたくさんあります。
今まではキューバ人はドルを所持することさえ許されていませんでしたが、93年、品不足がピークに達したとき、社会の不満を解消するためキューバ政府はドルの使用を解禁し、同じ年の末、一般のキューバ人がドルを獲得するために自営業も解禁しました。
しかし、それによって貧富の差が拡大するなど問題が生まれ、それまでキューバ社会が持っていた良い面まで崩れてしまうことが危惧されています。 」
環境問題なんでもあり/田中優(市民フォーラム2000)
環境問題のスペシャリストで、”環境に優しい金融機関”『未来銀行』を運営している田中優さんが、環境と経済について講義した。
「今、金融の投資は、短期的に大きな利益を生むものに集中してしまっています。そして、その投資先の多くは環境破壊をもたらしています。通貨の金利をゼロもしくはマイナスで運用することにより、お金が長期的にみて利益を生む社会資本に投資されるようになります。金利がマイナスということはお金を持っていると、そのお金の価値が目減りしてしまうということです。だから、お金をただ持っているより、百年でも住み続けられる建物だとか、長期的に見て得になる社会資本に投資されるようになります。結果、通貨の循環は加速し、地域経済の活性化を促すことになるんです。」
音楽から世界が見える〜キューバ・パナマ編〜/上野清士(ジャーナリスト)、水音(歌手)
映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のヒットした背景を語りながら、キューバ音楽の歴史を紹介。その他、日本では聞くことのない、ラテン音楽の名曲を紹介しながら、メキシコ在住のジャーナリスト上野清士さんと、歌手の水音さんがラテン音楽の魅力について語った。
「キューバには老ミュージシャンが多いんです。キューバで一番人気の曲『チャンチャン』を歌うコンパイ・セグンドは93歳。CD録音は、89歳の時ですから。(上野)」
「それぞれの国が、世界に誇る音楽を持っている。音楽風土の豊かさを感じますね。(水音)」
フリスビー教室
夕暮れの空を背景に、フリスビーの練習が毎日おこなわれている。今日は10人程が集まり、ワンバウンド投げを中心に練習。シャツとお腹の間で円盤をキャッチするパフォーマンス等も見られ、充実した練習内容だった。
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