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▼ケーララ州への招待/P.K.ラビンドラン(ケーララ州科学文学機構スタッフ)▼ |
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「明後日、私たちはコーチンに入港します。みなさんはインドはご存知だと思いますが、しかし、ケーララをご存知な方は多くはないかもしれません。
インドは大変大きな国で、10億の人口を抱え、たくさんの言語と、たくさ んの文化、たくさんの民族、ヒマラヤ山脈のような大きな山や大きな川、何
千年もの文明の歴史があります。しかし、貧しい国です。ある経済学者はイ ンドのことを『貧しい人々が住む豊かな国』と言いました。カースト制は未
だに存在し、たくさんの宗教対立があります。そしてかなりの人が読み書きができません。 |
イギリスの占領に200年以上も苦しみ、独立から50年たって も、未だ大きな力を持つ国とはなっていません。未だに多くの人々が、地域間の争いに怯えています。しかし、ケーララでは違っています。
一人当たりのGNPはインド全体では330ドルですが、ケーララでは298ドル、そして、USAでは22,240ドルです。しかし、ケーララの人たちの平均
寿命は70歳を超え、乳幼児千人あたりの死亡者数は、インド全体では85人な のに対し、ケーララでは17人。USAでは9人です。そしてケーララの識字率はほぼ100%。これは、先進国と肩を並べる生活指標です。つまり、経済
指標が、必ずしも、人々の生活指標に直結するわけではないのです。
貧しい国の中にもお金持ちの人はいます。豊かな国の中にも、貧しい人は います。お金持ちは、どんどんお金持ちになって行きます。しかし、それは貧しい人々を犠牲にした上で成り立っています。貧乏な人はなぜ貧乏か、そ
れを科学的に分析し、人々が理解することが大切なのです。科学は知識です。知識は社会のために使われなければなりません。」 |
KSSP: |
ケーララ州科学文学機構
Kerala Sastra Sahitya Parishad
Kerala Science Literature Organisation
1962年設立 スタッフ総数 60,000人以上 |
AIPSN: |
全インド民衆科学運動ネットワーク
All Indian People's Science Network
KSSPが中心になって結成したNGOの集合体
1988年設立。全インドの49団体が加盟。
現在、識字率向上キャンペーンに最も力を入れている。 |
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