Life Onboard

『アカバ(ヨルダン) -イラク・パレスチナ難民のいま-』
5月17日(日)
パレスチナとイラクの隣国にあたるヨルダン。その地理的条件から、国内には多くのパレスチナ難民、イラク難民が暮らしています。ここでは、イラク・パレスチナ難民と出会う交流プログラムへ。まず訪れたのは多くのパレスチナ難民の暮らすマダバ地区です。集会所では、ここに暮らす女性たちが迎えてくれました。
サッカーを架け橋に国際交流を行う「ピースボール・プロジェクト」が、日本で呼びかけて集めたサッカーボール約60個を、ここに暮らす子どもたちに。ボール一つで出来るサッカーはここでも人気のスポーツ。しかし、サッカー用品も十分ではなく「誰もが簡単に楽しめるもの」ではないそう。
マダバ地区の街並み。坂の多い地形に、白壁の建物が、ぎっしりと並んでいます。こうして見ると一つの「街」のようですが、ここは彼らにとっては仮の住まい。「故郷」にはなり得ないと語ります。
次の目的地、地区の小学校へ向けて歩いていると、好奇心旺盛な子どもたちが集まってきました。みんな写真を撮られるのが大好き。「僕も撮って!」とカメラに近づいてきます。「外国人」がやってきて、こうして写真に写ることが彼らにとっては特別な体験。とびきりの笑顔を向けてくれるのが嬉しい反面、ちょっと複雑な気分に。
学校に到着。学齢にある子どもの人数に対して学校の数が少ないため、午前と午後、2グループに分けて授業を行っているそう。ここで、子どもたちとスポーツ交流を行います。
交流会が終わった後も熱気冷めやらぬ様子。学校の周りにもとにかくたくさんの人が。笑顔で迎えてもらえるのが嬉しくて、言葉が通じなくて楽しくて、でもここにいる人たちはみんな難民で…。何とも複雑な思いを抱えながら、小学校を後にします。
こちらは、障がいを持つ女性の自立支援を行っているという団体のオフィス。女性たちが作ったキレイな布製品や、カラフルな砂を瓶に入れ、様々な模様を描いたお土産物などが並んでいました。
夕食後、ホテルでは現地で活動するピースボートスタッフで、パレスチナ出身のラミ・ナセルディンによるレクチャーが行われます。
「どんなに経済的に苦しくても、お客さんが来る時は一番きれいな服を着て、食料は近所から借りてきてでも最高のもてなしをする。それがアラブの文化です」そんなラミの言葉に、今日1日の各所での歓迎を思い出し、ハッとさせられます。
「多くのアラブ人は日本に対して『平和的な国』だと信じています。でも、イラク戦争を機にそのイメージは変わりつつある。米国を支援するばかりでなく、私たちの国の現状やあり方に関心をもって欲しい。その上でひとりひとりが行動することが大切だと思います。今日見たこと、出会った人のこと、日本に帰ってからも多くの人に伝えてください」ラミの言葉をどう受け止めるか、まず私たちが考えなければならないことです。