2017年12月10日。
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞しました。その最大の功績は、同年7月にニューヨークの国連本部で成立した「核兵器禁止条約」の実現に尽力したことです。
核兵器を法的に禁止したこの歴史的な条約の実現には、ICANのメンバーのほかにもなくてはならなかった人たちがいます。それは「二度と誰にも同じ体験をさせない」と、自らの被爆体験を国内外で語ってきた広島・長崎の被爆者の存在です。
被爆者は、半世紀以上もの間、思い出すのもつらい自らの被爆体験を証言し続けてきました。戦争も核兵器もない平和な世界を希求する被爆者の懸命な姿が、核兵器禁止条約に「YES」の一票を投じた政府関係者を動かしたともいえます。
しかし、世界の122もの国々がこの条約に賛同した一方、唯一の戦争被爆国である日本の政府は、この条約に賛成を表明していません。
「#YesICAN」キャンペーンは、核兵器のない世界への「YES」を集めるキャンペーンです。世界の多くの人がYESといっている核兵器禁止条約に、そして核兵器をなくしたいという被爆者の思いに、あなたのYESを表明してください。
参加の方法は簡単です。キャンペーン期間中、ハッシュタグ「#YesICAN」を付けてTwitterやFacebook、Instagramにみなさんの写真を投稿するだけです。ICANのノーベル平和賞受賞をきっかけに、いま一度、戦争も核兵器もない平和な世界のために「私にできる『CAN』=『ICAN』」を探してみませんか?
核兵器のある世界とない世界だったら核兵器のない世界がいい。誰もがきっと持っている「核なき世界へのYES」を世界に発信しましょう。一人でも複数人でも構いません。
1. ご自身で「#YesICAN」と書いたメッセージボードを用意して写真を撮る。
2.「#YesICAN」キャンペーン公式メッセージボードを持って写真を撮る。
3. 動画の場合:核兵器のない世界や核兵器禁止条約に関する『一言メッセージ』を「核兵器のない世界にYES!」あるいは「核兵器禁止条約にYES!」で締めて最大10秒でアップしてください。
上記1,2,3にハッシュタグ「#YesICAN」 を付けて、TwitterやFacebook、Instagramに投稿してください。投稿されたものの一部は、本ウェブサイトで紹介します。
著名人の方からも「YesICAN」キャンペーンに賛同するコメントが寄せられました。
ノーベル平和賞授賞式後のたいまつパレードでは、訪れた被爆者らと市民が「YesICAN」と口にしながらオスロ市内を行進しました。この映像は全世界に報道されました。
(ノルウェー放送協会NRKのニュース記事の映像をご覧ください。)
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)は、核兵器を禁止し廃絶するために活動する世界のNGO(非政府組織)の連合体です。スイスのジュネーブに事務局があり、2017年10月現在、101カ国から468団体が参加しています。この度ICANが受賞したノーベル平和賞は、核兵器廃絶に向けて尽力されてきたすべての人たちに向けられたものです。とりわけ勇気をもって自らの体験を語ってきた広島・長崎の被爆者のみなさんに、この賞は向けられています。
日本では広島・長崎、そして第五福竜丸の体験をもとに、1950年代より被爆者の権利と原水爆禁止を求める運動が続けられてきました。ピースボートは2008年より「おりづるプロジェクト」として被爆者の声を世界に伝える航海を続けてきました。「平和首長会議」のみなさんをはじめ世界の多くのNGOに支えられ、その中から「YES!キャンペーン」など数多くの取り組みがうまれました。国際的には「アボリション2000」などのネットワークのもとで多彩な活動が展開されてきました。2007年に生まれたICANは、こうした取り組みに学びながら、核兵器禁止条約をさらに前に進める運動を展開していきます。ピースボートはその中で中心的な役割を果たしていきたいと思います。
ピースボート共同代表/ICAN国際運営委員
川崎哲