▼ケニアの学校訪問▼
 昨年12月。24年間政権を担ったモイ大統領の退陣に伴い、独立以来初めて選挙による政権交代が実現された、ケニア。そんな国の未来を担う子どもたちと交流しようと、モンバサの学校を訪問した。
  ここは、1980年、カナダのシステムを取り入れ、幼稚園から高校までのエスカレーター式私立学校。全校生徒1900人が、ケニア、タンザニアなどひろく東アフリカの広範囲から通っている。とびきり元気で好奇心の強い、そんな子どもたちとの体当たり交流だ。
 学生と私たちが交互に席に着き、校長先生から学校についての説明を受けた。こちらからも、ピースボートについて紹介する。子どもたちに日本の地理について尋ねると、日本を知っている人は28人中、3人。世界地図・日本地図を使いながら、日本についても説明した。
 グループに分かれ、折り紙、書道、けん玉、コマ回し、福笑い、日本語…などなど日本の文化紹介。人気の「書道コーナー」では、当て字で彼らの名前を書いてプレゼントした。日本の民族衣装として浴衣を紹介する。
 午後からは屋外で交流。ケニアでもサッカーは人気があり、休憩時間の小学生も混ざり大いに盛りあがった。また、あらかじめ下絵を描いておいた2メートル四方の布に、みんなで色をつけていく。もちろんこの絵も、子どもたちへのプレゼントだ。
 最後に、サッカーを使った国際交流に取り組んでいるプロジェクト「ピースボール」の代表からサッカーボールが贈られた。
  ケニアでは、ひとつ40ドルするサッカーボール。そのために高価で手に入らないという現状がある。私立学校に通う子どもたちでも、自分のボールを買えない、ということも、この国の現実のひとつだ。
  子どもたちとの交流を通じて「ケニア」という国を知ったと同時に、ケニアで普通に生活する子どもたちの笑顔を忘れないでいたいと思った。
(浅野裕美)
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