イランの核開発への懸念が高まり、これに対するイスラエルの軍事攻撃の可能性が公然と論じられるようになりました。米国でも強硬論が力を増しています。こうした中、「中東非核地帯」構想が新たな注目を集めています。中東に核兵器も大量破壊兵器もない地帯をつくろうという構想は、1970年代から国連に提案されていましたが、長年、言葉だけで何も実行されてきませんでした。
しかし、今年後半にフィンランドで中東各国を集めて非核地帯のための国際会議が開催されることが決まり、準備が始まっています。
核保有国イスラエルの核放棄を促し、イランに核開発を断念させ、地域全体で協力して軍縮を進めるという中東非核地帯構想は、現在の危機を脱却し、核拡散の連鎖反応を断ち切り、地域の和平に貢献する可能性に満ちています。
市民としてこの国際プロセスを応援するために、ピースボートは来る3月23〜27日、エジプト、イラン、イスラエル、パレスチナを含む中東地域の市民社会リーダーを船上に集め、各国政府や国際機関代表者と共に、国際市民会議を開催します。トルコやエジプトでも関連行事を開催します。
これは、中東非核地帯のためのピースボート「ホライズン2012」プロジェクトの第2回目会議です。市民が国家間の対立を超えて手をつなぎ、民主化のうねりと連携し、軍縮と和平の道筋を切り開くこのプロジェクトにご注目ください。
「ホライズン2012」国際市民会議概要
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会議日程・場所 |
- 専門家会合(30名規模)
2012年3月23日(金)〜24日(土)
場所:チビタベッキア市港湾局会議場(イタリア)
- 中東市民による洋上戦略会議(15名規模)
2012年3月24日(土)夜・チビタベッキア港(イタリア)出港
〜27日(火)午前・ピレウス港(ギリシャ)入港
- 成果発表記者会見
2012年3月27日(火) 場所:アテネ市内(ギリシャ)
- 関連行事
・2012年3月29日(木)イスタンブール市内(トルコ) ・2012年4月7日(土)カイロ市内(エジプト)
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主な参加者 |
- 市民・NGO代表
エジプト、イラン、イスラエル、パレスチナ、レバノン、ヨルダン
- 政府代表
フィンランド、メキシコ
- 国際機関代表
国連軍縮部、化学兵器禁止機関
- 専門家
ジャヤンタ・ダナパラ パグウォッシュ会議会長/元国連事務次長 レベッカ・ジョンソン アクロニム研究所所長(3/23-24のみ) ほか
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主な討論テーマ |
- 世界の核軍縮の動向と中東非核化の展望
- イラン、イスラエル、米国間の緊張と対応
- 中東における政治的変化(アラブの春)が非核化と軍縮にもたらす影響
- フクシマが中東における核論議にもたらす影響
- 今年のフィンランド国際会議への働きかけ(市民からの提言)
- アラブ諸国、イラン、イスラエル、パレスチナを含む市民ネットワーク構築
主催:
ピースボート
協力:
武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ(GPPAC)
核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)
IKVパックスクリスティ(オランダ)
後援:
フリードリヒ・エーベルト財団(ドイツ)
チビタベッキア市長室(イタリア) |