フィデル・カストロ前議長とピースボート参加者700名が面会
――第70回ピースボート「地球一周の船旅」

 2010年9月21日(日本時間同日夜)、ピースボート「地球一周の船旅」参加者約700名が、キューバのフィデル・カストロ前議長と面会。2時間半にわたる交流会が行われ、カストロ前議長は、国際平和の実現や核兵器廃絶への思いを語った。
ハバナ会議宮殿を700名もの日本人が訪れたのは、今回が初めて キューバ、前議長フィデル・カストロ氏。国際平和の実現についてスピーチした
 これは、第70回ピースボート「地球一周の船旅」のキューバ寄港に合わせた、キューバ政府の招待によるもの。ピースボート参加者約700名が、キューバの国会議事堂にあたる「ハバナ会議宮殿」に招かれ、カストロ前議長らと「平和への交流会」を行った。

 交流会はカストロ前議長によるスピーチから開始。その中でカストロ前議長は、ピースボートとキューバ市民の約20年にわたる交流の軌跡を高く評価した。

 ピースボートからは代表してスタッフの井上直(36)がスピーチ。ピースボートが取り組む平和憲法の国際化や核兵器廃絶について語り、キューバ市民とのさらなる連帯を呼びかけた。

 会では「地球一周の船旅」参加者のひとりで、ブラジル在住ヒバクシャ・渡辺淳子さん(ブラジル被爆者平和協会常任理事)が自身の広島での被爆体験と、核なき世界への思いをスピーチする場面も。カストロ前議長は熱心に耳を傾け「非常に貴重な証言。この様子はキューバ全土にテレビ放映する」と約束するなど、核兵器廃絶への強い思いを表明した。

 カストロ前議長は、自身の2度にわたる訪日経験や、広島訪問時に受けたという「強い衝撃」について触れながら、人類は核兵器による絶滅の危機にあると指摘。戦争を食い止め、国際平和を実現するために、世界の市民が努力し働きかける必要があると強調した。
ブラジル被爆者平和協会常任理事・渡辺淳子さんが、自身の被爆体験を証言 左からカストロ氏、井上直、松村真澄(いずれもピースボートスタッフ)
 ピースボートがキューバに寄港するのは今回が14回目。1990年のキューバ初寄港から今日まで、20年にわたって続けてきた民間交流による平和構築をカストロ前議長が高く評価したことから、今回の交流会が実現した。

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