内閣総理大臣
鳩山由紀夫様
「核のない世界」を子どもたちに届けましょう
メリー・クリスマス!
不況で暗いニュースがたえなかった今年ですが、世界を平和に導く一つの明るい光が指した年でもありました。
それは、アメリカのオバマ大統領が「核兵器のない世界」をめざして行動すると世界に約束したことです。でも彼は「自分が生きている間には無理かもしれない」とも述べました。
私たちは、世界をめぐり、各地で原爆の被爆体験を伝える活動をしてきました。世界中の人々が核の危険について真剣に考えている様子を、体で感じてきました。被爆者は、原爆投下から64年が経過した今も、苦しみや不安を抱えています。しかし、だからこそ、私たちは声を一つにして言いたいと思います。
「私たちが生きているうちに核兵器の廃絶を!」
これが私たちの共通の願いです。鳩山首相は今年9月の国連での演説で、「核兵器廃絶の先頭に立つ」とおっしゃいました。ぜひ、その通り行動していただきたいと思います。
- 非核三原則
「核密約」を徹底的に調査してください。そして、日本の非核三原則は揺るがないということを国内外に宣言するとともに、非核三原則を法制化してください。世界から疑惑をもたれないことが、核廃絶を主導するための一歩です。
- 核不拡散条約(NPT)再検討会議
核廃絶への道筋を国際合意にしてください。対人地雷禁止をカナダが主導し、クラスター爆弾禁止をノルウェーが主導したように、核兵器を全面禁止する「核廃絶条約」を日本が支持し、主導してください。
- 「核の傘」
官僚が「日本のための核戦力を維持してくれ」とアメリカに要請し、それがアメリカの核軍縮の障害になっていると報じられています。これは私たちの気持ちを踏みにじるものです。日本の安全に核は要らない、と首相が明言すべきです。
来年のクリスマスには、核のない世界への道筋が開かれたことをともに祝福したいと思います。積極的な行動に期待を申し上げます。
2009年12月24日
ピースボート