ガザの人々に決定的に必要とされる人道支援物資の運搬と、イスラエルによるガザ封鎖に対する関心を高めることを目的とした「フリーガザムーブメント」に参加したノーベル平和賞受賞者マイレッド・マグワイア氏と約20名の人権活動家たちが、イスラエル軍によって拘留されました。ピースボートはこの事態を、非常に憂慮しています。また、拘留された2隻の船には、アメリカ合衆国元連邦女性議員のシンシア・マッキニー氏に加え、世界11カ国から参加した人権活動家、ジャーナリスト、学者らが乗船しています。
報道によれば、イスラエル軍は6月30日の午後遅く、活動家たちが乗船していた船「自由ガザ」号に強制的に乗り込み、彼らを拘束しました。もう一隻の船「人道の精神(the Spirit of Humanity)」号に随行されたこの「自由ガザ」号は、ガザへの重要な医療品、建築資材、子どもの玩具、オリーブの木などを運搬していました。
赤十字国際委員会の最新の報告では、ガザでは150万人の人々が「絶望の中に閉じこめられて」います。人々は保健サービス、きれいな水や他の基本的な必需品への十分なアクセスがない貧困状態にあり、イスラエルによってガザ地区に課されている封鎖政策のために、家や生活を建て直すことができない状況にあります。マイレッド・マグワイア氏は、「フリーガザムーブメント」の使節団に参加する際に、これは「イスラエル政府による残酷な包囲のなかで生きるガザの人々に対して、世界は彼らに対して起きていることに注目しているということを伝えるため」であると述べました。
平和主義と非暴力行動で高名なノーベル平和賞受賞者のマグワイア氏が、そのような人道使節への参加中に拘束されるという事態は、人権を尊重した平和で持続的な社会を目指し活動する私たちにとって、受け入れられないものであります。マグワイア氏がガザに対する人道使節に断固として参加したことは、彼女が生涯をかけて平和、非暴力、人権へ献身することを明示しています。
マイレッド・マグワイア氏は、ピースボートが事務局を務めている「グローバル9条キャンペーン」の強力な支持者です。このキャンペーンは、日本国憲法における戦争放棄条項の保持と、武力に頼らない地球規模の平和を求めている国際運動です。マグワイア氏がグローバル9条キャンペーンに深く参加していることは、彼女や「フリーガザムーブメント」に参加する他の人権活動家が行っている活動の平和的かつ人道主義的な性格を強調するものであります。
私たちピースボートもまた、平和使節を展開し、人道援助物資を船で運ぶ活動をしてきました。ピースボートは長いあいだ、パレスチナとイスラエルの市民との草の根交流を洋上また地域訪問を通じて行ってきました。そして、私たちはイスラエルの非人道的なガザ封鎖に苦しむパレスチナの人々に対する、人道支援活動に取り組んできました。それゆえに、私たちはマグワイア氏と他の活動家が拘束され、彼らの人道活動が妨害されたことを深く憂慮しています。私たちは、国際的な呼びかけに賛同し、マグワイア氏ららと没収された物資の即時無条件解放、および、平和活動の妨害されることのない継続を求めます。
※詳細情報に関しては、以下のウェブサイトをご覧ください。
・ガザ解放運動(Free Gaza Movement)
・ノーベル女性の会(Nobel Women's Initiative)
・赤十字国際委員会2009年6月ガザ報告書(ICRC's June 2009 Gaza Report) |