クラスター爆弾の禁止と
オスロプロセスへの参加を求めるピースボート声明

 私たち、日本に本部を置く国際NGO、ピースボートは、非人道的兵器クラスター爆弾の存在そのものに強く反対し、その使用、生産、移動、貯蔵を禁止し、さらに不発弾の除去、被害者支援の国際的枠組みを盛り込んだクラスター爆弾禁止条約と、2008年までにその締結を各国が誓約した2007年2月の「オスロ宣言」を強く支持します。
 
 同時に、「オスロ宣言」に賛同しなかった日本政府に対し、強く再考を求めるとともに、「対人地雷全面禁止条約」同様、「クラスター爆弾禁止条約」についても、その締結に向けて、国際社会において、平和主義を掲げる指導的国家として積極的な役割を担うよう強く要請します。

 クラスター爆弾は広範囲にわたって拡散し、無差別に市民を殺傷する非人道的兵器です。そして、イラク戦争をはじめ、アフガニスタン、レバノンでの対テロ戦争にも使用され、多くの子どもや女性たちをはじめ、非戦闘員である無防備な市民を傷つけ、その命を奪ってきました。私たちはこのような兵器の存在を絶対に許すことはできません。

 にもかかわらず、日本政府がクラスター爆弾を所有し、さらに「クラスター爆弾禁止条約」に対して消極的態度を表明していることは、この兵器の非人道性を考慮した場合、対人地雷禁止条約を批准し、「人間の安全保障」を掲げる日本の外交方針と大きく矛盾していると言わざるをえません。また、「専守防衛」を標榜する日本の防衛指針とも真っ向から矛盾していると同時に、国際社会における先駆的な平和規範である日本国憲法9条にも明確に違反しています。そして、このような日本政府の行動は対人地雷をはじめ無差別殺傷兵器を禁止し、廃絶していこうという国際社会の人道主義の潮流に反するものでもあります。

 私たちは、日本政府に対し「クラスター爆弾禁止条約」締結をめざすオスロプロセスに対する一日も早い積極的参加表明と同プロセス推進のための具体的行動の開始、そして、自らが保有するクラスター爆弾の全面廃棄を強く求めます。
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ピースボート事務局(担当:中原)
(Tel:03-3363-7561/Fax:03-3363-7562/ウェブサイトからのお問い合せはこちら)
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